- Amazon.co.jp ・電子書籍 (381ページ)
感想・レビュー・書評
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無限の平行世界を行き来して未来を書き換えることができる世界に住む主人公は、その選択肢をすべて捨てる決断をする。表題作を含めた珠玉のSF短編集。
若手SF作家の旗手と名高い伴名さん。初ですが、とても楽しめました。SFらしいSFを読んだなあ、と思えたし、その視点や技法が縦横に走り回るので飽きずに楽しめました。「美亜羽へ贈る拳銃」ではインディファレンスエンジンが出てきて、「おお!伊藤計劃!」と思ったのですけどトリビュートだったんですね。これからの活躍にも期待です。
そうですね。とりあえず超弩級のAI(シンギュラリティ・ソビエト)がやりあうといえば手塚治虫の火の鳥未来編と一緒にお楽しみください。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
解説ではハードSFという言葉が使われていた。たしかにハードSFの素養があるのは充分に伝わるけれど、それが表出された小説集かといえば微妙。
ただし、それはこの短編集の瑕疵ではまったくなく、おなじく解説に書かれていたエモーショナルという言葉のほうが印象は残る。
ややもすればライトノベルっぽくなりそうな危うい場面もあるけど(危ないわけではないけど)、そこは先のSFの素養により回避できている感じがある。
情緒的なストーリーテリングも使われるが、基本はアイデア先行だとは思う。発想だけの出オチにならず、物語としておもしろく構成されていて読みやすかった。 -
どの作品もそれぞれ違った世界観と文体があり、ひとりでこれだけバラエティに富んだ作品が書けるのかと驚きとともに、とても面白く一気に読めた。
お気に入りは、ホーリーアイアンメイデン。妹から姉へ向けた数通の手紙の告白文。手紙は一方的に妹の想いがぶちまけられるけれど、姉はどう感じたのか気になった。 -
長編小説だとばかり思っていたので、読み進めてくうちに短編集だと知って驚いた。
しかも、それぞれ作品ごとに文体を変えているところに感嘆。
しかしまあ、それぞれすごい世界観だなあ。たまげたよ。
SFってホント凄いのなあ。
しかし、割ととっつきにくくてわかりにくい内容と世界観の表題作を一番最初に持ってくることで、結構損してるんじゃなかろうか、とも思った。 -
レビューは未定。
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すごく良作な短編集。最初と最後の作品が好き。
SF好きにはたまらないと思われる作品で、著者のSF愛がすごいんだと思う。 -
文章が素敵です。パラレルワールド、脳科学などを題材に、「青春」を感じる物語が多い。最後の「ひかりより速く、ゆるやかに」はとても独創的なストーリ。引き込まれました。
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近未来系の王道SF。
短編集でどの短編も視点やアイデアが違うので、それぞれ楽しむことができる。
個人的には一番最初の『なめらかな世界と、その敵』は難しいので、初めて読む人はいきなり難関にぶつかるのではと感じた。そこを乗り越えるとかなり面白いし、映像化してもおかしくないレベル。