- Amazon.co.jp ・電子書籍 (460ページ)
感想・レビュー・書評
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ファンタジーとミステリーが融合した、なかなかボリューミーな一冊。
嘘を養分に成長する木を使って、殺された父の事件の真相を暴く少女。
嘘のつき方が賢くて、でも無謀でもあり勇敢でもある主人公がなんかかっこよかった。 -
児童文学という位置付けではあるが、大人から子どもまで楽しめる作品。
読んでいて海外ドラマ「アンという名の少女」を思い起こさせるような、女性の置かれる社会的立場について考えさせる。
主人公のフェイスをはじめ、登場する女性たちがみんな逞しい。
尊敬する父に認めてもらおうと頑張るフェイスがとても健気で思わず応援したくなる。
夢をかなえて立派な博物学者になってほしいな。 -
面白かった。
ダーウィンの進化論に揺れる19世紀イギリスが舞台のファンタジー小説。ファンタジーとはいえ、魔法や魔物が登場する訳ではなく、嘘を養分にして真実を教えてくれる不思議な木の存在以外はその当時のイギリス社会の現実が描かれる。主人公のフェイスは、大人と子どもの狭間にいる存在として描かれ、博物学者として有名な父親に憧れ父に愛してもらいたいと願っている。突然の父の死に際し、その死の真相を突き止めるために奔走し成長していく。
あからさまな女性差別社会の中、フェミニズムとシスターフッドも描かれる。フェイスが最後の方で、自分は他の女性とは違うと思っていたけれど、そもそも女性はそれぞれ皆違うのだと気づく所が良い。 -
女性が生きづらいヴィクトリア朝時代、14才の少女が幾多の裏切りに会いながらも、思いを遂げようと勇敢に行動します。
謎解き要素たっぷり。悪夢に満ちた嘘の木の正体は何なのでしょう。
当時の宗教観、生活規範も伺えておもしろいです。 -
ヴィクトリア朝時代、中流階級の様々な女性たちが描かれてるのが面白い
牧師の娘フェイス(14才)は父を異常なまでに尊敬し愛し認められたいと熱望している博物学に興味のある子だ
が、父親には重い過去の秘密があった
全編に強いキリスト教の信仰があり息苦しい
謎そのものはそれほど興味深いものではないが
この時代に生きる女性それぞれの抵抗と考えに共感できた
紳士たちに丁重に扱われながらもしょせん女だと圧迫される彼女たち
彼女たちも身分の低いものには同じような言動をとっているのが哀れだ
女と女の愛情(真に頼りになる人たち)もほのめかされていて結末はわずかな光りが見られて良かったと思う