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感想・レビュー・書評
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2022/06/20
非常にタイムリーな1冊。逆に、時間が経つと当てはまらなくなることも多かろうと思う一冊でした。
まず冒頭、第一章「沈黙の声を聞く」では、災害や病疫、そして戦乱が立て続けにおこる現代、ますます「足ることを知る」という考え方が重要な時代が到来し、しばらくそれが続くと隆法先生はおっしゃいます。別の言い方で「内省的な時代」とも表現されます。
別の書籍でも登場しましたが、このような時代は「何が正しいか」という価値観が転換しやすい。例えば紙の書籍を沢山読むとか、時間を有効に使うことの大切さを隆法先生は訴えています。また、同時に増大する欲を引き締め、「やるに値するか」とか「社会の豊かさに貢献するか」など吟味する姿勢が必要・有効だということです。これは、考えてみればいつの時代もそうですが。
前者のような考え方は既に『常勝思考』の書籍にも登場していたことを思い出しました。常勝思考では、時代全体の話ではなく、個々人が内向的になったり、外に出ようとしてもうまくいかなくなった時の文脈でしたが、「徹底的に内省的になってしまう状況を利用せよ」というような内容だったと思います(いわゆる反省型ですね)。
話を戻すと、本書で「巣ごもり」の時に読むべき書籍として「実学と教養」「古典と語学」「霊界と宇宙」という三つの項目を挙げられます。
第二章「自分を鍛える道」では、隆法先生が昔ポエムを書いたりしていたことが赤裸々に紹介され、その後仕事論の話へと展開します。ポエムもその人の経験や年齢が上がらないとなかなか出版されたりはしない。時期という者があるのだなと改めて学びました。
例えばコピー取りや電話対応係など、高学歴の人などはそのような仕事を頼まれるとすぐにやめてしまうそうです。隆法先生は、電話なら「仕事内容を全部理解していないと対応できない」コピーも「ただコピーするのではなく、どんな書類がいま回っているのかを見て仕事を覚える」というようなことが大切だと説かれます。
まさにその通り。「下足番を命じられたら日本で一番の下足番になってみろ」と仰ったのは、阪急電鉄の創業者、小林一三氏でしたが、それを思い出しました。
本章で特に勉強になったのは「精読・多読の両立」です。精読は受験レベルのような、緻密な勉強法。同時に、「教養人」と呼ばれる最低限のレベルになるためには最低で1000冊くらいは読まなければなりません。
「精読と多読の両立」ということを隆法先生からご指南いただきましたが、自分の場合には精読ばかりで多読がなかなかおいついていない。良書を多読することも並行して行いたいと思います。
両立するには何が必要か。隆法先生のお答えは「意志」です。「両立させなければ生産性は絶対に上がらないのだ」という強い意志が必要です。(テクニックが書かれているのかと思いきや・・・しかし、意志以外にありません。その通りです)。テクニック的なこととしては「隙間時間を有効活用すること」これも(忘れてしまいましたが)隆法先生の最近読んだ書籍のどこかで見ました。
以上の話(精読と多読)にさらに、自分の専門を極める「出世間」(世間から遊離する)の考え方と、人々を救うというそれとは逆のベクトルのことを両立しなければならない。なかなか難しそうですが、おそらく修行とはそのようなものなのでしょう。
第三章は、霊能力と正しい人生と称する章。ここは少し私の今の興味とは離れていますので割愛。霊能者でも今来ているものの「正邪」を判定するにはこの世的な知識や判断力が相当必要であるというような内容が特に印象に残りました。
おそらく、一方で(極論ですが)知識で固めすぎると唯物的になるようにも思えて、結局智恵と感性のバランスが大事であるように個人的には解釈しました。
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