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感想・レビュー・書評
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1989年 252ページ
同じ本を二度買いしてしまった。
若い頃に買った本は、結婚を機にほとんど処分してしまいました。その中の本の1冊。
SFやファンタジーがわりかし好きだったのですが、おもしろい本、というと探すのが難しいのです。この『摩由璃の本棚』は、当時女子大生だった筆者が雑誌で連載したブックレビューをまとめたものです。
この中で本屋で見つけた本はけっこう買いました。当時は、見つからない本は注文することもなくあっさりと諦めていたので、この中で読んだ本は少ないのですが、ハズレが少なく「おもしろ〜い!!」と一気読みした本もあります。また、文章に作品への愛が溢れていて、おもしろそう!と思わせる熱のあるレビューです。
初っ端から『指輪物語』『ナルニア国物語』『ゲド戦記』と有名どころが登場します。
そして、SF、ファンタジーとあるように、ハヤカワ文庫が多いですね。筆者と一緒で、私もハードカバーはなかなか手が出なかった。今もだけど。
私がおもしろい!と思った本の一押しは『封神演義』。
レビューに「ともかく荒唐無稽で破天荒なこの話、そんじょそこらのお手軽ファンタジーやエセSFなんぞ、及びもつかないほど面白い。基本的には「殷(商)」が倒れて「周」が興るという、思いきりシビアな大河歴史冒険物語(なんのこっちゃ!?)なのに、信じられないくらい笑える☆ なんたって、寝ちゃうと読めないから眠くなっても寝たくないの。血湧き肉躍る全三巻約千五百ページ、もう夢中になって読み通しちゃいました。中国三代奇書(『西遊記』、『三国志演義』、『水滸伝』を超える……といううたい文句はウソじゃない。三巻目が終わりに近づくと、もう寂しくて、寂しくて……「あぁ、もっと続いて欲しいよぉ!」と半分泣きながら読んじゃった。数世紀を経て読み継がれてきた中国の読本の威力、とくと思い知らされましたね……☆☆☆」
そして有名な『夏への扉』
ーー「『夏への扉』は、献辞のとおり、世のなべての猫好きに捧げられた物語ですが、そこはそれ、ハインラインの作品ですもの、凝りに凝った実に素敵な物語に仕上がっているから大丈夫。捧げられなかった人――つまり猫好きでない人――でも充分に楽しんでいただけること請け合いです。 冬のさなか、夏への扉を探してドアからドアへと渡り歩くピートの姿――それは逆境にあっても決して希望を捨てない生命の在り方を象徴しているのかもしれません。長く辛い冬のつれづれに、夏への扉を探してみませんか? もしかしたらそれは、あなたのすぐ近くにあるのかもしれませんよ…… 求めよ、さらば開かれん――なんてね☆」
あらすじの紹介もわかりやすいし、ユーモアもたっぷり。読んでいて飽きないレビューがてんこ盛りのこの本。2度目は電子書籍で買ってしまったのでした。
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