きみはポラリス(新潮文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • なんとも三浦さんらしい、というかなんというか、一筋縄では行かない恋愛模様をつづった短編集。

    それぞれに味があって深いのだけれど、なかでも「冬の一等星」が心に凄くしみたなぁ。

    どうして文蔵と同じ星を見ていると信じられたのだろう。それらはあまりにも遠くにあって。触れて確かめることもできないものなのに。

  • 何回読んだかわからない。素敵な物語の短編集。「冬の一等星」この空気感。まるでその場にいるように肌で感じられる夜のPA。「永遠に〜」の二編の男の子の物語。いい意味で表現しようのない読後感。何回読んだかわからない。でも又必ず読むだろう。

  • ずっと読もう読もう思っていたけども、ついつい忘れてしまっていたありきたりな恋愛短編集。
    最初と最後の作品を除く各々の話に接点はなく、何故だかそれがとても安心できた。
    不倫にまつわる話は苛立ちを感じ、純愛にはありがたみを感じた。
    骨片には大正文学に通じるこじゃれた退廃さと驚きがあった。
    ヒロインの先生を想ういじらしさと、健気さに痛みを覚え、先生の骨を祖母の骨壺に忍ばせ、嫁に行かない死後には祖母と同じ墓に入ることで、死後の世界で共に在ろうとする決意には度肝を抜かれた。
    とりわけ、恋愛の素晴らしさを謳う作品はなかったように思い、基本的には普通の人達ばかりだったが、突拍子のなさが無い事がのめり込み易くしてくれたと思う。
    恋愛物は短編集で充分、というよりも短編集でこそ輝くジャンルなんだと考えた。
    解説のなかむらうさぎという人の例えには面白い表現があり、きっと人となりは好きにはなれないけども、その巧みさには頭を垂れるしかない。恋の思い出を押し花に例え、秘密を罪と断言し、ほの秘密は甘く芳しいが故に気になるが、飲み込むと苦くて吐き出したくなるような味というのは、上手い表現だと感心した。

  • 様々な恋や愛が描かれた短編集。
    一つひとつの恋は特別で、同じ関係性は無い。


    「お題」からここまで深い関係性を描くことができる作者に脱帽した。1話がしっかりした厚い内容なので切り替えて読む必要がある。
    登場人物たちはみんな誰かを大切に思っている。
    カタチに囚われない「恋」や「愛」がたくさんあって、誰かの秘密を覗いているような感覚になった。

    三浦しをんさんの本は初めて読んだが、描かれる関係性の温度や湿度が好きだなぁと思った。

    1話を読んで、「え!?!?」って二度見してしまった。
    『月魚』も気になる…


    「永遠に完成しない二通の手紙」
    「永遠に続く手紙の最初の一文」
    「私たちがしたこと」
    「春太の毎日」

    が特に好き。

  • 私にとって憧れの愛がありました。
    それほどの愛からは私は逃げてしまうだろうけど。

  • 様々な恋愛が描かれていてすごく難しかった。自分じゃ絶対に想像つかないプロット。
    みんなが思い描くいわゆる「恋愛」でなくても、生まれ持ってこれが恋心だと感じられる関係があると感じた。
    解説、とても良い。

    ウサギ座を空で探してみようと思う。

  • 色々な形の愛が描かれた短編集。同性の友人同士であったり、血のつながった相手であったり、罪を共有する相手であったり、さまざまな人たちの関係性がギュッとまとめられた心に残る短編集だった。どの話も、読み終わると切ないようなあたたかいようななんとも言えない独特な読後感が残り、とても好き。

  • 冬の一等星が特に好きな話でした。

  • 個人的には「森を歩く」「優雅な生活」「冬の一等星」が好きだった。初めてこの作者さんの本を読んだけれど、どのお話も引き込まれる物語と文章でとても良かった。

  • 深夜、高速をするする走って、たまにサービスエリアで休憩して、星なんか見ながら話して、明け方にファミレスでさよならって、なんて切なくて素晴らしい。たとえ相手が知らないおっさんでも。

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

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