虎のたましい人魚の涙 [Kindle]

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     バス停にいちいち停車しながら岩手山に夕日が沈んでいくのを眺めているうちに、会社員のわたしからたったひとりのわたしへとグラデーションのようにきもちが傾いていく。

    耳朶の紫式部
     「こういう教養ってかんじのものをときどきは食べないとだめね、ほんとうに、ときどきしかできないけど」

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著者プロフィール

歌人・作家。1994年生まれ。岩手県盛岡市出身・在住。著書に、第165回芥川賞候補作となった小説『氷柱の声』、エッセイ集『わたしを空腹にしないほうがいい』『虎のたましい人魚の涙』『桃を煮るひと』、歌集『水中で口笛』、第72回小学館児童出版文化賞候補作となった絵本『あんまりすてきだったから』などがある。

「2023年 『水歌通信』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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