子どもたちに民主主義を教えよう――対立から合意を導く力を育む (あさま社) [Kindle]
- 英治出版 (2022年10月8日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (201ページ)
感想・レビュー・書評
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親として、子供のこれからの教育とか接し方などに活かされるかな…と思っていたのだけれど、職場でも必要な考え方がたくさん書いてありました。
自律的に考える社員が育たなければ企業は成長しない、と思う自分にとって、組織開発やカルチャー変革のビジネス本を読んでいるような感覚にもなりました。
・反対者はいるのが当たり前のこと。だからこそ合意形成に向けて対話を続ける努力をする。
・現実との折り合いをちゃんとつけながら理想に近づいていく。
などは、会社でも旧来のやり方が当たり前になっている組織の中で変革していくときにいつも意識していきたい言葉です。
あと、どうしても、日々の生活や仕事に追われて、政治に関しては自分ごとできないでいましたが、そろそろ考えないといけないと…ガツンときました。何が、この日本にとって必要なことなのか。真剣に考えるきっかけになりました。
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日本の初等教育は、問題だらけなのかな?
教育系の大学を根本的に変えないと、今のままで入学した学生の志を削ぎ、昔ながらの悪い習慣を纏った教員を世に送り出す。 -
たいへん良かったです。多数決の問題点について、対話について、目から鱗がぼろぼろ落ちました。
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「民主主義の土台作りとしての学校づくり」を忘れないために。工藤校長の実践。
「生徒主体」の教育を行いたいと思ったとしても、気が付くとその狙いとは逆のことを行っていることが多い。しかし、工藤校長は「最上位目標」を実現するためにどうすればよいのかをあらゆる教育的な文脈で検討していく。合唱コンクールの有無、定期考査の有無、三者面談の有無。管理職から前年踏襲はだめで、教育的な意義を検討するように言われることもあるが、多くの場合、最終的には前例踏襲のまま進むことも多い。
この本を読めば工藤校長の考え方の追体験ができると思う。 -
日本社会、学校における「教育」の諸問題を「民主主義」という切り口で、教育者と教育学者が対話的に論じていく一冊。多くのテーマが語られているが、重要なのは子どもたちだけでなく、親や教師にも「当事者意識」が必要だ、という点。
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著者である工藤勇一氏が、教育現場で画期的な取り組みをしていることは有名である。定期考査廃止、合唱コンクール廃止、校則は生徒が決めるなどなど。奇をてらって有名になったのではなく、本質がそこにはあるということがこの本で語られている。何冊か工藤氏の著書を拝読したが、一貫した信念がある。そこにこそ、教育の本質があるのではないかと思う。