- Amazon.co.jp ・電子書籍 (213ページ)
感想・レビュー・書評
-
対談形式と知らずに読み始めたが、結果的に複数の対談相手との多様な視点・考察があり、専門的になりすぎないという点では読みやすかった。解説を求める人には物足りないかもしれない。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
p.2023/2/27
-
小泉悠氏がウクライナ侵攻について著名な人と対談する本になります。
対談相手が防衛研究所や元自衛隊の人から漫画家まで多岐にわたってるので、専門的な議論に関して物足りないと思う人はいるかもしれません。
ヤマザキマリ氏との対談でイタリアとの比較は興味深かったです。 -
現代ロシアの軍事思想・安全保障研究者である著者がウクライナ戦争開始から約半年間におこなった対談をまとめた内容。砂川文次や片渕須直、ヤマザキマリといった表現者も加わることで、この戦争に対する視点の多角化が図られている。こうした「有事」の際には、つくづく専門研究者の重要性・必要性が痛感させられる。日本文学研究はこのレベルの専門知を提供することができるのか、気になってしまう。
ウクライナ戦争の開戦は、日本語の文脈での「戦争と平和」の抽象性、地に足のつかない部分を浮き彫りにしたように感じている。多極化した世界で、この地域の平和を――少なくとも武力衝突を起こさないという担保を――どのように保持していくのか。そのためにも、過去の戦争をどう総括するか、過去の戦争の記憶を適切に位置づけることも必要だろう。戦争を「悪」として思考停止するのではなく、その「悪」が具体的にはどのようなもので、どのようなものでありうるのかをつきつめて検討することで、「厭戦思想」を「反戦思想」へと鍛え上げていかなければならない。
-
小泉悠氏がロシアによるウクライナ侵攻について著名な人と対談する本。
自説を開陳しようとするも小泉氏のペースを崩すことができず当たり障りのないことしか言えなくなった東浩紀氏を除くと、他の人との対談は次々と有益な情報が出て、当時の状況や空気感を思い出したり、今の状況を理解するには有益な本。
ロシア軍に詳しくその筋の人と濃いミリオタトークをしながら、同時にその他の深い教養からこの戦争に関する様々な本質的な私的を引き出してくる小泉氏は、やはりただのマニアというより学者の域にある。