ウクライナ戦争の200日 (文春新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 対談形式と知らずに読み始めたが、結果的に複数の対談相手との多様な視点・考察があり、専門的になりすぎないという点では読みやすかった。解説を求める人には物足りないかもしれない。

  • p.2023/2/27

  • 小泉悠氏がウクライナ侵攻について著名な人と対談する本になります。
    対談相手が防衛研究所や元自衛隊の人から漫画家まで多岐にわたってるので、専門的な議論に関して物足りないと思う人はいるかもしれません。
    ヤマザキマリ氏との対談でイタリアとの比較は興味深かったです。

  •  現代ロシアの軍事思想・安全保障研究者である著者がウクライナ戦争開始から約半年間におこなった対談をまとめた内容。砂川文次や片渕須直、ヤマザキマリといった表現者も加わることで、この戦争に対する視点の多角化が図られている。こうした「有事」の際には、つくづく専門研究者の重要性・必要性が痛感させられる。日本文学研究はこのレベルの専門知を提供することができるのか、気になってしまう。

     ウクライナ戦争の開戦は、日本語の文脈での「戦争と平和」の抽象性、地に足のつかない部分を浮き彫りにしたように感じている。多極化した世界で、この地域の平和を――少なくとも武力衝突を起こさないという担保を――どのように保持していくのか。そのためにも、過去の戦争をどう総括するか、過去の戦争の記憶を適切に位置づけることも必要だろう。戦争を「悪」として思考停止するのではなく、その「悪」が具体的にはどのようなもので、どのようなものでありうるのかをつきつめて検討することで、「厭戦思想」を「反戦思想」へと鍛え上げていかなければならない。
     

  • 小泉悠氏がロシアによるウクライナ侵攻について著名な人と対談する本。

    自説を開陳しようとするも小泉氏のペースを崩すことができず当たり障りのないことしか言えなくなった東浩紀氏を除くと、他の人との対談は次々と有益な情報が出て、当時の状況や空気感を思い出したり、今の状況を理解するには有益な本。

    ロシア軍に詳しくその筋の人と濃いミリオタトークをしながら、同時にその他の深い教養からこの戦争に関する様々な本質的な私的を引き出してくる小泉氏は、やはりただのマニアというより学者の域にある。

  • ウクライナへのロシア侵攻以来、各種メディアに頻繁に出るようになったイズムィコ先生こと、小泉悠さんと識者の退団集。

    「対談をまとめたもの」という性質上、どうしても玉石混交になってしまっていて各章のクオリティには結構差がある。特に冒頭に置かれている東さんとの対談は、二人の視点や観点という以上に、問題を捉えるフォーカスの深さが違いすぎて、なんとか小泉さんが体裁を整えたという感じがする。

    一方で、砂川さんや高杉さんとの対談は、マニアックな部分をそのまま出しても大丈夫という安心感があるのか、実に楽しそうに二人が話している。

    本書を読んでウクライナ-ロシアの戦争に対して何か斬新な視点が得られるということはないが、いろいろな角度から物事を見るとこうなる、という良い例だとは思う。

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著者プロフィール

小泉 悠(こいずみ・ゆう):1982年千葉県生まれ。早稲田大学社会科学部、同大学院政治学研究科修了。政治学修士。民間企業勤務、外務省専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所(IMEMO RAN)客員研究員、公益財団法人未来工学研究所客員研究員を経て、現在は東京大学先端科学技術研究センター(グローバルセキュリティ・宗教分野)専任講師。専門はロシアの軍事・安全保障。著書に『「帝国」ロシアの地政学──「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(東京堂出版、2019年、サントリー学芸賞受賞)、『現代ロシアの軍事戦略』(ちくま新書、2021年)、『ロシア点描』(PHP研究所、2022年)、『ウクライナ戦争の200日』(文春新書、2022年)等。

「2022年 『ウクライナ戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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