エコファシズム 脱炭素・脱原発・再エネ推進という病 (扶桑社BOOKS) [Kindle]
- 扶桑社 (2022年10月21日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (221ページ)
感想・レビュー・書評
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環境問題に対しどのように対峙していくかという対談。語りが面白いだけでなく、
・ラディカルな環境対策はコストがかかるため、すべての人のことを考えた漸変的な政策を行うべき
・日本だけ二酸化炭素排出量を減らしても効果は非常に小さいため、全世界でやれることや技術開発への投資が大事
といった意見も非常に首肯できる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
エコでなくて良いので火力発電とか全然賛成だけど原発はないだろ。共感できるところとできないところの差が激しい本。突然の朝日批判とかところどころ感情で書いてるところが残念。でも2人の著者が文句を言いながらもマイケルムーアの動画を「学ぶところが多かったです」と誉めるように私もたくさん学んだ。絶対読んだほうが良いよ(笑)環境問題よりまずは貧困の解決なのだ。
自給率はカロリーベースで37%でも米97%、魚介類52%、野菜79%。
自然エネルギーは小規模なコミュニティの中とかであっても良いが、製造業が大きい日本の産業構造に合わない。
太陽光パネルをつくるのに中国の石炭火力が大量に使われている。再エネを否定はしないが、絶対的なものではない。
原発やロシアへのエネルギー依存は政治家が議論を積極的に展開して説明すべき。いずれの選択をしてもリスクを伴う。選挙に不利だからと真実に触れないのは危険な状況。結局、政治家は国民をバカだと思っている。確かに何を言ってもわからない人もいるが、国民を説得することを放棄するなら政治家の職を辞すべき。民主主義だから理解しがたい主張をする人がいてもいい、多様性が日本の強さになる。
著者二人は何かにつけ、全体主義に警戒している。それだけ、ともすると全体主義に行きつきかねない事象が現代にもあふれているのだろう。夜中にコンビニに行ってくだらないものを買うのも自由、人間という者はおろかな点も含めて存在を否定してはいけない。著者の妻が欲しがった小さなバッグは非合理の極みだが、別に悪いことをしているわけではない。それを買って満足する人も世の中にはいて、ほしい人がいるから売っている。その喜びのために買ったなら良いのでは。ワインはこれでなくちゃ、メロンはこれでなくちゃ、均一的な価値観を押し付けない。自由に生きていれば時に尊い選択もする。個性こそが人生。
お金持ちがエコカー減税で補助金をもらって電気自動車を買う一方、貧しい人はガソリン車を使うことにペナルティを負わされているのはおかしいと心から共感。 -
温暖化防止という目的をすべてに優先させる考え方=エコファシズムは本当に正しいのか?を書いた本になります。
極端な温暖化否定論はどうかと思いますが、本でも言及されてるように、温暖化防止ばかり考えすぎて新興国のことや貧困のことがすっぽり抜け落ちてる人たちはどうかなと思うのはその通りだと思います。