エコファシズム 脱炭素・脱原発・再エネ推進という病 (扶桑社BOOKS) [Kindle]

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  • 環境問題に対しどのように対峙していくかという対談。語りが面白いだけでなく、
    ・ラディカルな環境対策はコストがかかるため、すべての人のことを考えた漸変的な政策を行うべき
    ・日本だけ二酸化炭素排出量を減らしても効果は非常に小さいため、全世界でやれることや技術開発への投資が大事
    といった意見も非常に首肯できる。

  • エコでなくて良いので火力発電とか全然賛成だけど原発はないだろ。共感できるところとできないところの差が激しい本。突然の朝日批判とかところどころ感情で書いてるところが残念。でも2人の著者が文句を言いながらもマイケルムーアの動画を「学ぶところが多かったです」と誉めるように私もたくさん学んだ。絶対読んだほうが良いよ(笑)環境問題よりまずは貧困の解決なのだ。
    自給率はカロリーベースで37%でも米97%、魚介類52%、野菜79%。
    自然エネルギーは小規模なコミュニティの中とかであっても良いが、製造業が大きい日本の産業構造に合わない。
    太陽光パネルをつくるのに中国の石炭火力が大量に使われている。再エネを否定はしないが、絶対的なものではない。
    原発やロシアへのエネルギー依存は政治家が議論を積極的に展開して説明すべき。いずれの選択をしてもリスクを伴う。選挙に不利だからと真実に触れないのは危険な状況。結局、政治家は国民をバカだと思っている。確かに何を言ってもわからない人もいるが、国民を説得することを放棄するなら政治家の職を辞すべき。民主主義だから理解しがたい主張をする人がいてもいい、多様性が日本の強さになる。
    著者二人は何かにつけ、全体主義に警戒している。それだけ、ともすると全体主義に行きつきかねない事象が現代にもあふれているのだろう。夜中にコンビニに行ってくだらないものを買うのも自由、人間という者はおろかな点も含めて存在を否定してはいけない。著者の妻が欲しがった小さなバッグは非合理の極みだが、別に悪いことをしているわけではない。それを買って満足する人も世の中にはいて、ほしい人がいるから売っている。その喜びのために買ったなら良いのでは。ワインはこれでなくちゃ、メロンはこれでなくちゃ、均一的な価値観を押し付けない。自由に生きていれば時に尊い選択もする。個性こそが人生。
    お金持ちがエコカー減税で補助金をもらって電気自動車を買う一方、貧しい人はガソリン車を使うことにペナルティを負わされているのはおかしいと心から共感。

  • 温暖化防止という目的をすべてに優先させる考え方=エコファシズムは本当に正しいのか?を書いた本になります。
    極端な温暖化否定論はどうかと思いますが、本でも言及されてるように、温暖化防止ばかり考えすぎて新興国のことや貧困のことがすっぽり抜け落ちてる人たちはどうかなと思うのはその通りだと思います。

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著者プロフィール

東京大学公共政策大学院特任教授。1959年生まれ。1982年東京大学経済学部卒。通商産業省(現経済産業省)入省後、OECD日本政府代表部参事官、IEA国別審査課長、資源エネルギー庁国際課長、同参事官、大臣官房審議官地球環境問題担当、 JETROロンドン事務所長兼地球環境問題特別調査員等を歴任。2015年東京大学公共政策大学院教授を経て現職。21世紀政策研究所研究主幹等を兼務。IPCC『第六次評価報告書』執筆者。これまでCOPに16回参加。著書に地球温暖化交渉の真実』(中央公論新社)、『亡国の環境原理主義』(エネルギーフォーラム)等。

「2022年 『エコファシズム 脱炭素・脱原発・再エネ推進という病』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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