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感想・レビュー・書評
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明治11年〜昭和20年までの地元紙からヒグマに関連する記事をひろいあげ、マッピングして、共生してきたヒグマが追いつめられて人喰いになっていったと思われる経緯を北海道開拓の歴史とともにまとめてあり、大変興味深く読みました。
開拓史や、炭鉱の歴史、旭川第七師団、王子製紙など
北海道を巡ってここがどういう歴史をもった土地なのか、垣間見えていた一端と、知らなかった事象を知ることができた。(十勝岳噴火、知りませんでした)
羆嵐も読んだし、三毛別も見に行ったりしたけれどさいわいなことにいまだにヒグマに遭遇したことはありません。(知床で散策路で大きなフンが道の真ん中にあり、引き返したことはある)
見てみたいけれど、決して自然への畏れ、敬意を持って自然と接しようと思った。
ちなみに「ヒグマ殺すのかわいそう」といっている人は一度現地に住み、命の危険を感じながら生活している気分を味わいながら考えるといい。
私は駆除はやむなしと思っている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
明治の初期から戦前までの北海道のヒグマの人身事故の新聞記事や郷土史料を読み込みヒグマの実態を考察するドキュメンタリー著書。明治初頭の北海道開拓前は原野に覆われたヒグマの王国であったが、やがて切り開かれ鉄道は敷設され人口が増えるとともに、人間とクマの距離が近くなった。人喰い化するヒグマはほんのわずかだと言え、その原因は人間の欲望と傲慢が故、ヒグマの生息地に踏み出し人喰いクマを生み出したとも言えなくもない。駆除も必要だが、自然保護、即ちヒグマによる人身事故の根絶に繋がるとも思う。
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神々の復讐 人喰いヒグマたちの北海道開拓史。中山 茂大先生の著書。人間を襲う人喰いヒグマたちを上から目線で偉そうに非難するのは人間のエゴ。強欲人間たちの強欲なエゴで生きる場所を奪われたヒグマたちが必死で闘ってきただけにすぎない。人間を襲う人喰いヒグマたちに偉そうに説教しても決して聞いてくれない。人間を襲う人喰いヒグマたちを見て自分たちの行いを反省するのは人間の役目。山林を守らないと山林から追い出された人喰いヒグマの犠牲者が増えてしまう。
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熊が人を襲う話が読みたくて買ったのだが、熊は単に人を襲うという訳ではなく、人間が熊の領域に踏み込んでしまったことによるトラブルである事がよく理解できた
データが膨大で一つ一つ分析しているところがとても面白い
熊を人間が踏み込み荒らしていった山の「神々」の復讐として描いており心迫るものを感じた