教場X 刑事指導官・風間公親 (小学館文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 久々の長岡さん
    久々の教場シリーズ
    ワクワクしながら読み始め、
    あっという間に読み終わった

    話の展開が、古畑任三郎みたいやなぁ

    今回、この本の表紙を見た時
    木村拓哉がとうとう表紙に?
    と一瞬ビックリした
    (よく見たら全然違うけど)

    で、中身読みながら
    木村拓哉がこの話を
    田村正和みたいに演じるのかしら?
    と思ってしまったわ

    …で、肝心の中身やけど
    パターンが分かってしまってるから
    些細なヒントで、予想できてしまい
    「えー!ビックリー!」という話は
    なかったかなぁ

    でも「おかしいやろーっ」と
    突っ込み入れる話は全くなくて
    「さすがです!」と毎回思えた

    ラストは特に、なるほどやったなぁ
    もう一度、教場シリーズ
    読み直したくなったもん
    特に「教場ゼロ」もう一度読もうと思った
    うん、なかなか商売上手やわ




  • 鬼教官・風間公親、殺人現場に再臨場!

    ●第1話 硝薬の裁き
    益野紳佑の妻才佳は、半年前、車にはねられ亡くなった。事故の唯一の目撃者は娘の麗馨だった。警察は幼い麗馨の証言を採用せず、犯人とされた男は不起訴となっていた。
    ●第2話 妄信の果て
    大学四年生の戸森研策は、地元新聞社から内定を得た。ゼミ論文の単位が取得できれば卒業も確定する。前途洋々の戸森のもとへ、担当教授から突然の連絡が入る。
    ●第3話 橋上の残影
    経理事務の仕事をしている篠木瑤子は、十年前に恋人を自死により失っている。その死の原因となった男は刑期を終え、娑婆でのうのうと暮らしていた。
    ●第4話 孤独の胞衣
    短大生の萱場千寿留は工芸家の浦真幹夫と関係を持ち、妊娠した。浦真は中絶費用を渡し、海外に旅立ったが、千寿留は新しい生命の誕生を待ちわびていた。
    ●第5話 闇中の白霧
    名越研弥は、闇サイト経由で違法な薬物や商品を仕入れ、莫大な冨を得た。そろそろ足を洗いたいのだが、相棒の小田島澄葉を説得できずにいた。
    ●第6話 仏罰の報い
    著名な有機化学者である清家総一郎は実験中の事故で両目に劇薬を浴び、一線を退いた。隠棲生活を送る清家の悩みの種は、娘・紗季の夫の素行だった。

  • なぜ風間公親が警察学校に来たか、その理由が書かれていた。
    ドラマと並行して読むと、同じ作品があるものの、微妙な違いを探すのも面白かった。

  • 2023/5/9 Amazonより小学館ポイント還元キャンペーンにて858円(429pt)でDL購入。

  •  木村拓哉が演じている風間公親の『教場』。仕事の上で教えるということに、いろいろ思うところがあり、『教場』という言葉が気に入ったので読んでみた。現在、私にとっての『教場』は農場だ。
     風間公親は、白髪、片眼を千枚通しで刺されて失明して、義眼を入れている。物語の中では、無口で存在感がある。6つの物語がある。最初に殺人の現場が描かれる。つまり、犯人は最初からわかっている。そして、風間公親が指導する有望な若手刑事が、事件の捜査を通じて、なぜその犯人なのかを明らかにする。その若手刑事を指導する風間公親は教えるというより、考えさせるためのヒントを与える。ふーむ。刑事の関わる物語が好きでよく読んでいるが、巧みな編集力があって、起承転結が明確である。刑事コロンボや古畑任三郎の小説形式ではあるが、若手刑事にヒントを与えて犯人を挙げさせるのが実にコギミいい。警官になれば、刑事になりたいと思う。それが、学びの動機ともなる。
     風間道場と呼ばれている刑事育成のシステム。各署の新人刑事の中から経験3か月程度の1名が選ばれ、本部へ派遣されて風間指導官の下で3か月間、実際の事件現場で刑事の仕事のエキスの教えられる。風間公親は、「犯人を落とせないなら、警察学校からやり直せ」もしくは「交番勤務からやり直すか」というパワハラ的言葉を操る。教えるということは、あくまでも教えられるものが向上したいと思って、学ぼうとする姿勢があることで成り立つ。
     犯人と思しき人間に接して、何を感じたのか?なぜ、殺人に至ったのか?殺人を行う際のミスを見つける。殺人をするにも計画通りにいかないものだ。
     第1話のテーマはアレルギー。ふーむ。そんな特異なアレルギーがあるのか。火薬に反応するアレルギー。町工場で銃を作ってしまうというのも、現代的だ。銃や爆弾は自家製造できる時代。第2話は、誤って大学の指導教官を殺してしまった、新聞社に採用が決まった学生。まぁ。殺そうと思っていたわけではない。教授の論文の罠にハマる。クソ意地悪い教授だ。この教授はパワハラで訴えられる可能性はある。刑事として何事も疑う姿勢が必要だ。第3話。恋人は時計職人。強盗にあって、目を痛め、時計職人が続けられなくなって自死。それを復讐しようとする女。結構、残虐な殺し方。殺す動機で復讐というのが編集しやすい。第4話。イタリア帰りの遊び人の胡散臭い陶芸家。妊娠してしまった女子学生。親権を取られたくないので。助産婦の娘だからできたのかな。第5話。薬物のネット販売で儲けた男は、相棒の語学堪能で、薬物知識のある女との仕事を辞めようとするが。放射線の薬物が仕込まれていた。ウイルソンの霧箱が活躍する。第6話。有名な名誉教授。実験で失明した。そして眼科医の娘は、詐欺師と結婚し、家庭内暴力を受けていた。この娘、なんで詐欺師と。ふーむ。ダイヤモンドは800°Cで燃える。
     犯人がいて、動機があり、殺人の手口。そして、犯人は完全犯罪を狙っているが綻びを風間公親がヒントを与えて、若き意欲に燃える刑事が解明に至る。若き刑事が考えて捜査するように、何を教えるのか?いい勉強となった。基本は、徹底した観察力なんですね。人が言うことを疑う。

  • ・10厳しいが背後に見える1の優しさに皆がついてくる
    ・なぜを繰り返すことで思考を深め気づかせる究極のコーチング
    ・証拠は調査目的の場や内容だけでなくその道中全てが対象
    ・残る左目を守るために組織までも動く‼︎

    https://twitter.com/mocmac24

  • 2023.04.07
    正直、本編ほどの感銘は受けない。なぜだろう。やはり、新人に主要な尋問を任せるという設定があまりにも浮世離れしているからではなかろうか。
    本編の警察学校のほうが「警察官」「人間」を描写するのにフィットしているのではないでしょうか?

  • 前巻からしばらく空いていたが、スッと読み始められた。
    短編なので区切りながらサクサク読める。
    風間教官の推理力、先読み力に驚嘆。
    推理のきっかけになる出来事がたまたま運良く起きている。そこが少しご都合主義な感があるかも。

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著者プロフィール

1969年山形県生まれ。筑波大学第一学群社会学類卒業。2003年「真夏の車」で小説推理新人賞を受賞し、05年『陽だまりの偽り』でデビュー。08年「傍聞き」で第61回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。13年刊行の『教場』は「週刊文春ミステリーベスト10」の1位、「本屋大賞」6位などベストセラーとなった。他の著書に『線の波紋』『波形の声』『群青のタンデム』がある。

「2022年 『殺人者の白い檻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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