- Amazon.co.jp ・電子書籍 (155ページ)
感想・レビュー・書評
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著者は、教養が自己の中心を構築する過程で、知性、尊厳、他者への敬意、そして想像力を備えた人物を育む基盤となるという。言い換えると教養は、私たちの生き方や信念を支える知的なバックボーンであるとも言えます。
本書では、スタンフォード大学の教授の研究を引用し、教養教育を受けた人々が職業教育を受けた人々よりも高い収入を得る傾向にあることを指摘しています。これは、世界が絶えず変化しており、職業教育で得た知識が時代遅れになりやすいためです。教養教育の土台が、長期的なキャリアや収入向上に寄与することが示されていおり、幅広い教養教育の有用性が示されています。
「エデュケーション」というTara Westoverの本を引き合いに出し、教育が新たな人生の可能性を開くことを述べ、ビル・ゲイツもこの視点を支持していることが記載されています。教養人は知識に基づいて考え、議論し、行動することを目指すべきであり、これは高品質の思考技術に依存します。
知識の価値に関する興味深い観察もあります。過去、20MBのハードドライブが200,000円で売られていた時代から、現在では大量のデータを格安で保存できるようになりました。この進化は、知識の価値が単に知っていることから、知識を活用する能力へと移行していることを示しています。
著者は、理解のレベルを4つのステージ(右に出るものはいないレベル、自分の言葉で説明ができるレベル、一通り学んだことがあるレベル、にわか知識)に分けて評価し、深い学びと思考が重要であると強調します。また、情報の真偽を見極める能力や、読書の重要性、そして自分の意見を持つことの価値についても述べています。
So what?の、問いの本質は、そこから導かれる一般化可能な示唆は何か?、というもの。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2024年1月17日1時39分読了。本物の教養とは何かについて根本から説明を試みた本。内容としては少し考えてみれば確かにそうであると思えるものもあれば,自分との意見の合わない部分もあったが,本書の内容を鑑みればそれが妥当なのだろう。