調べる技術 国会図書館秘伝のレファレンス・チップス [Kindle]

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  • 皓星社
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感想・レビュー・書評

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  • レファレンスライブラリアンを対象にした参照技術ノウハウ本です。
    教科書的ではなく場当たり的に実務で使えるチップス(コツ、小技)が綴られています。
    一から十まで説明するものではなく、司書なら少しは自分で考えろといった姿勢で使える技術と豆知識が散りばめられています。
    司書として今後も精進しようと思えた一冊。

  • ===qte===
    ベストセラーの裏側調べる技術 小林昌樹著 情報源探す「司書の奥義」
    2023/3/4付日本経済新聞 朝刊
    インターネットで調べ物をするとき、まずグーグルで検索することが多い。最近はSNS(交流サイト)のハッシュタグ(検索目印)で情報を集める例も増えているという。しかし、ググったり、タグったりしても、確実な情報源にたどり着けず、キチンとした答えを出せない場合も少なくない。そんなときに役立ちそうなのが、小林昌樹著『調べる技術』(皓星社)だ。実践的なノウハウが詰まっていることが支持され、2022年12月の発売以来、発行部数は3万部(6刷)に上る。

    (皓星社・2200円)▼元国会図書館職員の小林昌樹氏が示す「調べ方」が注目された
    (皓星社・2200円)▼元国会図書館職員の小林昌樹氏が示す「調べ方」が注目された

    著者の小林氏は元国立国会図書館職員で、29年間勤めたうち、利用者の調べ物相談業務(レファレンス)を15年間担当した。赤ちゃんに靴を贈る習慣「ファースト・シューズ」の起源はいつか、鎌倉幕府を開いた源頼朝の刀の銘は、といった自身が実際に受けた質問に基づき、どういう風に答えを導いたかを開陳している。

    「レファ担当の先輩たちは自然と『調べる技術』を身に付けていたが、一回り年下の私はイチから学び直す必要があり、そのやり方を言語化していった」と小林氏は振り返る。

    皓星社のメールマガジンに連載した内容をまとめる形で単行本化すると「書店からの注文やネット予約が相次ぎ、発売前に重版が決まった」(同社の晴山生菜社長)。書店員は特定のテーマに基づいた本を集め、特集棚をつくることが多い。「書店員の皆さんにとって、ふさわしい本をいかに見つけるかは大切な技術。それもあって『調べる技術』に興味を持っていただけたのだと思う」と同社企画制作部の河原努氏は話す。

    20年刊行の『独学大全』がベストセラーとなった読書猿氏の推薦帯も注目度アップにつながった。いわく「私が私淑する『探しものの魔法使い』が書いた司書の奥義を公開した本です」。2人はネットを通じて知り合い、小林氏が設立した近代出版研究所の雑誌「近代出版研究」創刊号には読書猿氏も寄稿している。実際、編集者や校正者、翻訳家、学生に加え、近年注目を集める在野研究者は『調べる技術』の有力な読者層だ。

    本書を読むと、国会図書館を筆頭にすでに様々なデータベースがあり、そこにアクセスする手法を知ることが大切だとわかる。「データベースも公開方法も変わっていくので、調べ方もアップツーデートしていく必要がある」と小林氏は述べ、一定期間を経た後は改訂版の刊行に意欲を示す。

    (文化担当部長 中野稔)

    ===unqte===

  • レファレンス技術の向上の糧になればと読み始めた。

    リサーチ・ナビから始まり、新聞のDBや各ジャンルに特化したDBなどレファレンスブックだけではない様々なコンテンツが紹介されており、少しレファレンスへの突破口が見えてきた。
    戦前か戦後により、調べる方法を判断するところは目から鱗であり「凄い!」と感じた。

    しかし、最初はGoogle大先生で検索するんかい!とツッコミを入れてしまったが、その方法に安心感を覚えた自分がいた。

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00297313

  • Google検索で疑問事項のアタリを付ける。それからは、NDLのリンク集。本書では、とくに人文リンク集の優秀さが強調されている。常に利用されているので、リンク切れが少ないことは利点だろう。早速、このリンク集が収録されているリサーチ・ナビをbookmarkした。また、デジタルコレクション(デジコレ)で、1883年から1952ンの官報が掲載され、目次情報が検索できるらしい、とうことも本書で知った。
    データベースの活用は、その作られた時期と情報の発生時期との関係に注意しなければならない。
    「次世代デジタルライブラリー」は、NDLが新たに開発中のデータベース、結構使えるらしい。使ってみたい気持ちになる。
    いずれにしても、調べもののhow to本としては、一読の価値はあると思う。

  • 図書館で書籍問い合わせを受ける著者の検索ノウハウを記述した本。これまでの書籍は、関東大震災と東京大空襲で消失したものが多く、その直前の明治大正、昭和前期の文献探索が困難であること、GoogleBooksは直接引用できないが該当記述の有無をチェックできる検索キーを提供する(ただし2005年以前は日本語文献が少なく使えない)など、ウェブでの書籍検索サービスは専門サイトは有用で戦前書籍のざっさくプラス、芸能ネタのウェブ大宅などがつかいやすいなど、なるほどの細かいネタ帳となっている。ただ、一般利用可能性は少ないトリビア集。

  • 趣味で検索をする者な私には「わかるわかる」と「そうなんだ!」が混じったいい本でした。「情報はいつの間にか見当たるようになることがある」でふと思い出して「世界三大美人」の初出探しを再トライしたら次世代デジタルライブラリーでヒットし、早速見当たった!と喜びの舞を踊った。

  • 〖本から〗
    ドキュバースとは世界初のハイパーテキストを構想したテッド・ネルソンが1974年に造った言葉で、documentとuniverseを合わせたもの。デジタル化された仮想空間。

    戦前の日本の常識を知るには、なにより最初に〖辞典昭和戦前期の日本:制度と実態〗(吉川弘文館、1990)を手元におくべきである。

  • 一般的な調べものより何段階か上のテクニックをひとつずつ言語化されてるのがすごい、完全に未知の領域でした。
    全体的に高度でしたが「大きい事柄より小さい事柄から調べる」は日常の調べものにもすぐ使えそうに感じた。
    個人的には「延喜式」を古代百科事典として引く、というのが興味深く新鮮だった。
    あとはこういう本は一読してどうというより、一つでも二つでも実際に自分でやってみてなんぼのものと思うので、読んでなるほど〜で終わりにしたらダメだよなぁと、、。

  • Googleで検索する役割はかつてならベテラン司書がアタリをつける(いつ頃どこの話でどの程度有名/無名なことなのか)ことというのが納得。Google検索は便利だけど調べ物の出発点に過ぎないことを肝に銘じておきたい。

    国会図書館のデータベースの知らなかった使い方など、役に立つ情報がたくさんあるのだが、馴染みの無いレファレンス用語が並ぶのに、文体自体は「ゲットした」「ん?」「まじめな本」とかすごくくだけているのが内容にあっていなくてかえって読みづらかった。

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著者プロフィール

1967年東京生まれ。1992年慶應義塾大学文学部卒業。同年国立国会図書館入館。2005年からレファレンス業務に従事。2021年退官し慶應義塾大学でレファレンスサービス論を講じる傍ら、近代出版研究所を設立して同所長。2022年同研究所から年刊研究誌『近代出版研究』を創刊。専門は図書館史、近代出版史、読書史。
編著に『雑誌新聞発行部数事典: 昭和戦前期』(金沢文圃閣、2011)などがある。『公共図書館の冒険』(みすず書房、2018) では第二章「図書館ではどんな本が読めて、そして読めなかったのか」を担当した。

「2022年 『調べる技術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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