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感想・レビュー・書評
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評価
・変革というわかりづらい切り口において企業経営視点から、3つのウェーブに線を引き、実例と合わせて理解を促す方法が非常に勉強になった
感想
・経営視点では社外のステークホルダーにより目を向ける必要がある。これは社内と相反する可能性もあるので、なかなか難しい。
・カルチャーの変革には、戦略への紐づけが大事だが、周辺の制度も整わないと、継続性はない。
・カンパニー側として具体的にどう進めていくのか、その苦労は何か。ヤマトさんの事例でいうインフラ整備についてよくよく詳しく聞きたくなった。
内容
・パーパスービジョンーミッションー戦略ー価値基準➡【暗黙知化された行動】
・「失敗からの学習」「危機感の醸成と新たな機会へのチャレンジ渇望」「大胆なキャッシュの投資」「それを評価維持するガバナンス・組織」
【組織の内面よりの話】
・パーパスドリブンでカルチャーを再定義
1.まずはパーパス
2.浸透させる価値基準を作る(評価)
3.一貫したコミュニケーションを行う
4.カルチャーにまで昇華させる(ゴールは決めておく)
➡壊すのは、「この組織では何が評価され、尊敬されるのか。の過去の概念」
・パーパスは不変、ビジョンやミッションは先の時間(有限)であり、自分たちの価値や基準を示すもの。経営者自らの体現が非常に重要
・マイクロソフト・グーグル・ソニーではそれぞれが、独自のプロセスや仕組みでこれらの浸透に取り組んでいるが、一様に言えるのはパーパスを一人歩きさせない、「リーダーシップ」「マネジメント」「組織・会社の体制」がそろっていること。
➡人事制度や仕事の仕方なども大きく変化させるタイミングで機能する考え方
【企業評価の話】
・長期的な変革を実現するには、株主評価のマネジメントも重要。短期的視点に行きすぎずに中長期的な期待を持たせられるかが経営視点で重要になる。
【ミドルアップダウン】
・経営はどうしても近視眼的になりやすい。そこでミドルリーダーは短期と長期の視点をもち、自社に閉じない情報と変化をとらえて経営に適切に伝え、フレームを提示し、社員も巻き込む必要がある。(経営の参謀)
・一方で現場のリーダーも要る。古い価値基準で動き、過去の成功に縛られる従業員を強いオーナーシップで変えていく。
【必要な要素】
・強烈な危機感、ポジティブなわくわく感、アスピレーション・渇望。
【リクルートが変えたマネジメント】
・当時、デジタル企業ではなかったことから人気も魅力もなかった。これを変えて優秀な人が集まる魅力的な職場と仕事にしないと、グローバルトップには立てないと、変革した。
①エンジニアが尊敬できるエンジニアを採用
②エンジニアがリスペクトするエンジニアに権限移譲
③エンジニアがわくわくする仕事をアサイン
【組織・ガバナンス改革】
・異なるカルチャー、価値観、報酬、目標をもつ事業を、
戦略上のグループから明確なセクターに切り分けた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
"「財務分析がイノベーションを殺す」という意思決定の罠を打破しなければならない" という一節がぶっ刺さったまま読み進めました。
10年かけて変革するという時間軸だからこそ、従来のフレームワークを凌駕する視座でした。リクルート、富士フイルム、ユニ・チャームといった企業事例をもとに、戦略から投資家コミュニケーション、リーダーシップの考え方まで、企業規模は違えど、意思決定の尊さと未来をつくる力量を噛み締めた。