危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』 [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 漫画版「風の谷のナウシカ」についてコロナ禍において各有識者たちが述べた本。

    映画版は漫画版の序盤を構成し直した作品ということは広く知られている。映画版はシンプルな構成(とも言い切るのは怖いが)となっているが、漫画版は一筋縄ではいかない複雑な経過をたどり、結末に向かっていく。

    ストーリーをそのまま楽しむことも楽しみ方のひとつであるが、宮崎監督がどう考えこの作品を作ったのかを想像してよんだり、監督が考えていないようなところまで意味を見出すように考察することも非常に興味深い読み方ですね。

    実際この本のなかで「ナウシカ考」という本が出たときに監督が「こんなこと考えていない」と言ったというエピソードが語られている。もちろん監督は非常にその本を気に入っていたということも含めれば、「ナウシカ」ほどのクラシック作品は作者の手すら離れてしまっているんでしょうね。

    別の出来事をつなげて考えることができるようになりたいですね

  • ひとつの作品をめぐり、いろいろな人が、これってこうだよね。こういうことを言っているんじゃないかな。自分はこう思った、あんてあれこれ語る。以前、「ナウシカ考」という本が出たときに、宮崎駿氏自身が、俺こんなこと考えてないよねぇ、なんて言いつつ、面白がってその本を読んでいたというエピソードも語られる。魅力的な作品を読むことはもちろん楽しいことなんだけど、それについて語る言葉を読むのもまた楽しい。そんなことを感じさせてくれる本だった。

  • 各方面の所謂知識人達が,マンガ版「風の谷のナウシカ」に秘められた謎について,小難しく理屈っぽく語っているインタビューをまとめたものらしい。
    マンガ版は確かに一筋縄ではいかない深みを持ったストーリーにはなっているが,正直ここまで読み解かないといけないのかというのは疑問である。勿論普通に読んだ人が漠然と感じたことを言葉にするとこうなってしまうのかもしれないが,納得いくような行かないような微妙な気分になる。あくまで参考意見として頭の片隅に置いて読んでもいいかな。

  • (2023/210)コロナ禍という「危機」の時代に名著『風の谷のナウシカ』を読み解くという連載企画の書籍化。漫画版が基本だけど、様々な論者が触れている通りに、映画(アニメ)版との比較軸は欠かせない。しかし、これだけ多くの論者が様々な角度から読み解いているのに、採り上げられる場面がかなり似通っている。やはり、その辺りがテーマ的には肝になりやすいよな。と、僕も漫画版のナウシカは繰り返し読んでいる質で、またぞろ読み直したくなってしまう。読んだことのない人は是非漫画版ナウシカの一読をお薦めする。

  • 2023/6/1

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著者プロフィール

1953年、東京生まれ。学習院大学教授。専攻は民俗学・日本文化論。
『岡本太郎の見た日本』でドゥマゴ文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞(評論等部門)受賞。
『異人論序説』『排除の現象学』(ちくま学芸文庫)、『境界の発生』『東北学/忘れられた東北』(講談社学術文庫)、『岡本太郎の見た日本』『象徴天皇という物語』(岩波現代文庫)、『武蔵野をよむ』(岩波新書)、『性食考』『ナウシカ考』(岩波書店)、『民俗知は可能か』(春秋社)など著書多数。

「2023年 『災間に生かされて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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