2035年の世界地図 失われる民主主義 破裂する資本主義 (朝日新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 朝日新聞社が昨年10月にオンラインで配信した国際シンポジウム「朝日地球会議2022」を書籍化したもの。エマニュエル・トッド氏やジャック・アタリ氏の見解に興味があったので手に取ってみた。

    エマニュエル・トッド氏の「民主主義が実質的な消滅に向かう」、民主主義の「リベラルな寡頭制」への変質、「社会の断片化」などの悲観的展望、ジャック・アタリ氏の「未来の自分に利他的になろう」、ブランク・ミラノビッチ氏の「グローバリズムに対する反発は、実は先進国の中産階級だけの問題であり、それゆえ国内問題として処理できるはずだ」という見方(東氏による解説)などが興味深くはあった。

    有識者の見識にちょっとずつ触れられるが、深く知ることはできないのが残念。

  • 適当にタイトル買いしてみた本。
    それっぽいことが、それっぽく書かれているけど、ベースの知識がないからか、何にも頭に入ってこなかった。。民主主義に種類があるとか?アフリカがこれから来るとか?いまの自分の生活に関係なさすぎて、こういうことを懸命に考えている人がいるのは分かるけど、俺には関係ねえなあっていう感想。意識低すぎる。どういうモチベーションでこれ読めばいいの?

  • 豪華メンバーを集めた未来予想本。最近この手の企画が流行ってますね。オンラインでインタビューできるようになったのが大きいのでしょうね。

    エマニュエル・トッドが歴史家としてネガティブでマルクス・ガブリエルが哲学者としてポジティブという対比は面白い。そもそも,歴史は繰り返すのか,全ては新しいのか,というのは歴史とは何かという根源的な問いだと思う。

    朝日新聞のイベントなので,日本に対するリップサービスが多いのが居心地の悪さを感じる。この人達別に日本のことなんてあんまり気にしてないでしょとは思う。

    民主主義は終わって,資本主義だけが残る。その資本主義を倫理資本主義にすることができるか。ポイントは利他で,それも稲盛さんの言う自利利他ということになるだろうか。

    アタリは最近教育を推すし,ガブリエルの「新しい啓蒙」も方向性は同じか?人的資本という流れにも合致して,要は人は生涯学び続けなければならない,という話なのかなぁと思う。個人的には同意するのだが,それを世の中全ての人に求めるのは酷なような気もするのですよね。。。

    みんな中国は少子高齢化で没落してインドが台頭するって認識だけど,人口規模・経済規模から言って,腐っても中国なのでその存在感は急には消え去らないだろうし,インドが民主国家として国際社会で承認されるかは個人的には疑問。

    インターネットによって,英語圏の国(イギリス,オーストラリア等)がアメリカに浸食されたというのは面白い見方だと思う。インターネット上の情報の多くは英語だろうと思っていて,そこにアクセスできないことのデメリットは意識していたのだけれど,逆に言語障壁によって護られているものがあるという発想はなかった。

  • オンラインのディスカッションをまとめた書籍。
    世界的に有名で著書も平積みされる知識層のコロナ・ウクライナ侵攻を経てどう進んでいくべきか、また日本としてどうすべきかについて触れている。
    直近のイベントを踏まえた最新の知見に触れられる点は目新しい一方、結論としては
    ・グローバル化への回帰
    ・新たな経済ステージへ進む
    ・日本とアフリカの関係深耕
    ・日本の人口ポリシー見直し
    といったところで何度も言われてきていることでもある。

  • 私達がやるべきことは「命の経済」を増やして、「死の経済」を減らすこと。つまり、死の経済で行われていることの大部分を、命の経済に移行させるということです。

    多くの人が気づき始めているのは「利他的であることは自分自身の利益になる」ということです。それを私は「合理的利他主義」あるいは「利己的利他主義」と呼んでいます。自分について利他的であることは、自分の利益なのです。自分に対して利他的でなければすぐに死んでしまいますから、他人に対して利他的でない場合も、私は死んでしまうでしょう。

  • 「知性」によって考えられたことごとというのは、つまるところ上滑りでしかないという感想が残った。
    個人的には読んでいてその言葉が腑に落ちたのはエマニュエル・トッドだけだった。

    おそらくここに出てくる人々の中で、トッドだけが自らがエスタブリッシュメントであり、そうであるが故の限界に自覚的であるからだろうと思う。

    小川さやかの発言には頷けるところがあった。少し著書を覗いてみたいと思った。

  • 疫病、戦争とすでに通過し逆戻りなどすることのないと思っていた災難に見舞われた2020年代。
    多くの識者の見解を知りたく手に取った。
    民主主義が絶対的王者だと思っていた自分にとっては見方を改めなければとも思った一冊。
    歴史家、哲学者、政治学者、評論家、経済学者、文化人類学者がそれぞれの立場からの観点はとても興味深く読めた。
    それぞれの「絶対」が存在感を増していく現代世界で共存していくことができるのか、これからも考えていきたい。

  • コロナ、ロシアのウクライナ侵攻などを踏まえた民主主義の行方を、欧米4人の識者の見解と、この見解をベース行った日本人の識者の議論をまとめた一冊。大変興味深く読めた。

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著者プロフィール

1951年フランス生まれ。歴史人口学者。パリ政治学院修了、ケンブリッジ大学歴史学博士。現在はフランス国立人口統計学研究所(INED)所属。家族制度や識字率、出生率などにもとづき、現代政治や国際社会を独自の視点から分析する。おもな著書に、『帝国以後』『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』などがある。

「2020年 『エマニュエル・トッドの思考地図』 で使われていた紹介文から引用しています。」

エマニュエル・トッドの作品

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