ミレニアム5 復讐の炎を吐く女 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 待望のミレニアム5を読んだ。少し二つの話が並行して表現してあるので中盤までは読みずらかった。相変わらず主人公のキャラクターは素晴らしいが、少しハリウッド映画を思わせるような表現となっているのが気になった。

    〇『ダーゲンス・ニューヘーテル』紙を紙面で読み、『ガーディアン』『ニューヨーク・タイムズ』『ワシントン・ポスト』『ザ・ニューヨーカー』をiPadで読んだ。カプチーノとエスプレッソを飲み、ミューズリー(オートミールやナッツ、ドライフルーツなどをまぜ合わせたシリアルの一種) を入れたヨーグルトや、チーズやレバーペーストを載せたパンを食べながら、ただのんびりと過ごした。
    〇歳をとることは屈辱にほかならない。 辱めを受けるようなものである。
    〇他人の目に映る自分の最期の姿が、スイレンの花のあいだから突き出る拳と、沼底から湧き上がる言葉のあぶくであってほしい。
    〇最後まで抵抗する、静かなる抵抗のしるしとして、拳を突き上げることができる。沼底へ沈んでいくにしても、堂々と、反抗的に沈んでいくことができる。
    〇自分の先祖について調べるというのはいま、ひじょうに人気のある活動で、ひとつの潮流と化している。
    〇これからの時代の侵略戦争は、まさにこういう形で始まるのかもしれない。貨幣や資産への信頼が失われれば、社会はこれ以上ないほどの混乱に陥ります。ここで忘れてはならないのが、自分が疑念を抱く必要すらないということです。ほかの人たちが疑いだしたのではないか、と思うだけで充分なんです。
    〇株価というのは、企業やそれを取り巻く社会の根本的な価値を単純に分析した結果ではない。心理的な要素も同じくらい大きく影響するんです。実際の心理メカニズムと、それについての推測です。
    〇市場には買い手と売り手が必要だし、信頼も疑念も必要です。それこそがまさに市場の強みでもあります。
    〇近ごろでは病的なまでに潔癖だ。彼女の手にかかると、ほこりは一粒残らず魔法のように消え去り、彼女が近づいたテーブルや調理台は比類のない輝きを放つ。七十歳のがん患者でありながら、彼女はつねに労を惜しまず動きまわっている。

  • リスベットの過去の真実を知る物語。その過程で大切な人物が失われる。最後の場面は、これまでミレニアムシリーズを読んでいたものであれば、心が震えるだろう。

  • リスベットのストイックぶりとミカエルのモテモテぶりーちょっとモテすぎーに再会できるのは楽しい。塀の中でも正義感を発揮、ハッキングしていける活躍は見事。おなじみのメンバーが次々に登場し変化してきているのもわかる。自分の過去どう迫っていくのか 下巻に続く。

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著者プロフィール

スウェーデンのジャーナリスト、作家。事件記者として新聞社に勤務後、スウェーデンの冒険家、ヨーラン・クロップにを描いたNFでデビュー。2009年、英国の数学者アラン・チューリングに関する歴史小説を執筆。2011年、国際的なサッカースターのズラタン・イブラヒモビッチとの共著で、『I AM ZLATAN ズラタン・イブラヒモビッチ自伝』を出版、2か月足らずで50万部を突破、スウェーデンで大ベストセラーとなった。『ミレニアム』を執筆したスティーグ・ラーソンが急逝した後、4‐6を書き継いだ。

「2023年 『闇の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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