同人AV女優 貧困女子とアダルト格差 (祥伝社新書) [Kindle]

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  • 所謂AV新法から現在の適正AV業界の情勢、新たに台頭してきた同人AV業界の存在感、それらに出演する女性の背景などをまとめたルポ。

    大変興味深く読めた。特に第一章の金苗希実さんの壮絶な人生と、第八章のバッキー事件栗山氏の現在。
    どちらも想像を絶するストーリーだった。

    タイトルにもあるアダルト格差は、搾取する側・搾取される側という観点と適正AV業界と同人AV業界という観点の2点が見られる。色々あるのねぇ。。。

  • AV新法から現在の適正AV業界、同人AV業界、AV女優の出演背景などをまとめたもの。とても興味深い。
    AV女優の始まりは「貧困」が多い。貧困家庭、DV、非正規、奨学金返済など。AV出演が低年齢化し、
    金を手に入れるとホスト狂いに落ちるという問題も発生している。ホス狂いになると稼いでも貧困から抜け出せない。
    女優やめて生活保護を受ければよいという人もいるが、そうするとDV家族に居場所を知られてしまうという状況も起きる。
    従来のAV産業は法律が通用しない閉じた世界、AV強要など犯罪多数。
    それが世間の目に触れるようになってから、「適正AV」という自主規制で犯罪をなくそうとした。
    確かに犯罪は減ったが、いままで合法に営業していた女優たちの職も奪い食えなくなるという矛盾。
    それにAV新法がより厳しい網となり、女優たちの仕事をより奪っている。
    そのうえ適正AV業界のプラットホームはFANZA(DMMグループ)の一人勝ちで売り上げ7割。そしてプラットホーム利用のマージンが7割!当然女優のギャラも下がっている。
    FANZAは規模と政治力にものをいわせてAV新法に賛成し素早く対応、できない中小がつぶれていくのを待っている。
    FANZAの希望はプラットホーム制覇。
    だがその枠にはいらないかたちで「同人AV」が伸びている。こちらではちゃんと稼げている人たちが存在する。

    筆者がAV女優になりたい女性に伝えたいこと
    「自分で自分を撮影して、発信する同人AV女優になりましょう!」

    ----------

    適正AVパートを読んでいて、この世の生き地獄がここに!と思ったが、同人AVを読んでまだ捨てたもんじゃないと思った。

    第一章 絶望のAV業界
    第二章 敗残者の独白
    第三章 Z世代と同人AV
    第四章 適正から逃れた彼女たち
    第五章 テクノロジーの功罪
    第六章 バッキー事件の警告

  • 法規制による健全化を目指す裏で、FANZA一強のため却って不健全になっている業界のお話

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著者プロフィール

1972年生まれ。ノンフィクションライター。AV女優や風俗、介護などの現場をフィールドワークとして取材・執筆を続ける。貧困化する日本の現実を可視化するために、さまざまな過酷な現場の話にひたすら耳を傾け続けている。『東京貧困女子。』(東洋経済新報社)はニュース本屋大賞ノンフィクション本大賞ノミネートされた。著書に『新型コロナと貧困女子』(宝島新書)、『日本の貧困女子』(SB新書)、『職業としてのAV女優』『ルポ中年童貞』(幻冬舎新書)など多数がある。また『名前のない女たち』シリーズは劇場映画化もされている。

「2020年 『日本が壊れる前に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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