理念経営2.0 ―― 会社の「理想と戦略」をつなぐ7つのステップ [Kindle]

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  • ダイヤモンド社
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感想・レビュー・書評

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  • ・会社は意義を生み出す場にシフトしていく
    ・僕が知りたかったことは、「レノアが25%シェアを押えたとしたらその時ぼくたちにどんな未来が訪れることになるのか?」「生活者のライフスタイルはどう変わり、どんな風に幸せになっているのか?」

  • ビジョン・ミッション・バリュー、そしてパーパスと、
    こういった企業理念系の言葉をどう捉えるか、自らの企業の状態に応じて考えることができる。
    自社の存在意義への疑問は、組織の一体感への課題感などから企業理念自体への課題感に至った場合におすすめの本



    以下メモ

    自分たちの存在意義について何も語れなかった企業や組織は存在しない

    表向きにはステークホルダー資本主義への移行の中で、利害関係の調整が重要になり、経営目的、パーパスが必要になった。

    コロナ後の社会的意義を実感して従業員自らやりがいを見出して働きたいという

    会社は利益を生み出す場から意義を生み出す場へ

    理念経営1.0: 社長の誓いを社員に植え付けていくスタイル
    理念経営2.0: みんなの価値創造の物語を産むためのソース
    そのための仕掛けが魅力的な問い、議論が生まれ理念が更新されていくようなサイクルを作ること

    MVVは定義がしっかりないが、鳥の群れで考えると分かりやすい

    1. 方向感覚: 群れの行き先、ビジョン(理想の未来は人によりさほど変わらないため、独自性を発揮しにくい)
    2. 距離感覚: 周囲の鳥との適切な距離感、バリュー(仲間と協働する上での基準、こだわり、美意識、企業文化)
    3. 中心感覚: 群れの中心に向かう感覚、ミッション(中心的な活動、優先順位の判断軸、私たちが何のために存在するのかの問いの答え)

    MVV全てが最初からあるべきと言うわけではない。創業時はビジョンだけがあり、人が増えてくると協働するためにバリューが必要になる。事業の周り組織に力がついてきて自分たちが果たせる役割が見えてきたところでミッションが定められるようになる。

    壮年期に事業を多角化し広げていこうとすると、組織もバラバラになり、MVVがボケてくる。そこで組織を束ねるのに差し当たり有効なのは成長、成長する限り組織のアイデンティティの問題は表面化しにくい

    成長が鈍化し、自分たちの存在目的が見えにくくなった時にパーパスが必要になる。ミッションの延長の存在


    ◯ビジョン
    ・ワクワクするもの
    ・機能するのはステートメントではなく物語

    ◯バリュー
    ・リモートワークで群れを実感しにくくなった組織
    ・群れるための共通の価値観
    ・自律型を志向して多様性を尊重した結果、共通の価値基準がなくなり、認知限界を超えてトップへの忖度が起こるということもある。その回避のためにも多様性のなかに優先させる価値観を明確にする必要がある。
    ・人治から法治になり、意思決定の共通基盤が出来上がる

    バリューはあるべき価値観を新しく作るものではない、今心から信じていてこれからも信じ続けたい価値観を引き出して言語化する方が機能する

    言語化は難しいので、他人から客観的に教えてもらうのも良い。次の問はヒントになる
    ・組織における最高の体験はなにか?
    ・その際にどんな行動をしたか?
    ・その行動を選んだのは、何を大事にしてるからか?

    価値観は成功体験によって次第に形成されていくもの。ただしこれだけだとありふれたものになる。やりたくないこと、余白を明確にすると個性も出る。次の問はヒントになる
    ・過去の経験で許せなかったことは?
    ・はんたいをおしきってもこだわったことは?
    ・ダサいからしたくないことは?

    バリュー言語化のポイント
    ・3〜5個に絞る、誇りを持てる言葉で
    ・最低一つはビジョンミッションと繋がるものを
    ・短く言いやすく自分たちらしい言い回し

    ◯ミッション/パーパス
    ・変わり続ける時代の中で変わらない芯
    ・経営者にとっても立ち戻る原点になる
    ・ミッションが意思決定軸となり経営者以外でも判断ができるようになる。

    ミッションに必要な自分たちの価値・ドメイン・役割
    これを考える三つの要素
    ・どんな世界に価値があると信じているか
    ・どの領域で活動するか
    ・どんな役割を果たすか

    ※ミッションの策定プロセスは割愛

    ◯ナラティブ
    伝わる理念と伝わらない理念

    三つの状態
    1. 理解: 聞いたことある、言葉を言える
    2. 共鳴: 自分の物語に重ねられる、人に説明できる
    3. 体現: 自分ごと化し、行動を落とせている状態

    センスメイキング理論

    ○ヒストリー

    ○カルチャー
    ・組織文化とは、ある価値基準の中で行ってきた行動、行動の癖のことをいう
    ・群れの組織文化は、人の真似をするという特性から生まれる。
    影響力のあるリーダーの行動や言動を見聞きして模倣することにより生まれる、組織文化を生む上ではリーダーの行動が非常に重要。

    文化分析フレームワーク「たまねぎ型モデル」
    ・シンボル: MVV、ロゴ、オフィス環境
    ・ヒーロー: 伝説の人、創業者、成功体験の凝縮、憧れの対象、望ましい価値観が表出された存在
    ・儀式: 継続的に行われること、組織が回るコツ
    と芯に迫っていく

    英語圏で使われるカルチャーデザインキャンパス
    玉ねぎ型モデルを使いやすくしたもの



    ビジョンはある意味前提としてあり、成熟した組織が存在意義を見出すためのパーパスを定めていくところを特にフォーカスした点が新しくい

    うちの場合はそもそも創業期なのにビジョンがピンときてないのが問題で、根深い。
    またバラバラな人を協働させるためのバリューが機能してない。

  • ■書名

    書名:理念経営2.0 ――会社の「理想と戦略」をつなぐ7つのステップ
    著者:佐宗邦威

    ■感想

    TOPPOINTで読了。

  • 先日取材させてもらったBIOTOPE佐宗邦威さんの新刊『理念経営2.0』を読んだ。ちょうど大きめのプロジェクトで上場企業の社長に伴走して経営思想を言語化して文書にまとめる仕事に取り組んでいるので、最新の知見含め、ヒントが満載だった。知恵を体系化する背景にある血と汗の結晶を味わうように読み進めた。

  • 筆者の本は、図も秀逸で、とても体系的に理解しやすいのが特徴だと思う。
    今回もとても楽しく理解できた。
    ビジョン→バリュー→ミッション→パーパスの出来上がる流れや定義がわかりやすかった。
    解決策がかなり具体的でワークとして紹介されているので
    自社の状況を的確に把握した後であればかなり有効だと思う。
    しかし、実際にやろうとしてみて思ったのは、
    状況を的確に把握することが本当に難しいと感じた。
    というのも、複数人で話していると、
    本当に人それぞれ見ている世界が違うということを感じるからだ。
    なのでこの本でも推奨されているように、まずは「語る場」を創出していくことが
    一番大切なのではないかと思った。
    ●まとめ
    https://docs.google.com/presentation/d/1-L6vKl6_iGnEy-3Xnwfes_D3G9WmAmr_7fMTvgJ-b4M/edit

  • これからの企業には、組織の存在意義を言語化し、未来への推進力となる「理念」が必要だ。「理念」は社員と一緒につくり出し、アップデートし続けることが望ましい。


    企業理念を構成する要素は、以下の7つである。
    1. ビジョン:私たちは将来どのような景色をつくり出したいか?
    2. バリュー:私たちがこだわりたいことはなにか?
    3. ミッション/パーパス:私たちはなんのために存在しているのか?
    4. ナラティブ:私たちはどこから来て、どこに向かうのか?なぜここにいるのか?
    5. ヒストリー:私たちのいまをつくった原点は、どこにあったのか?
    6. カルチャー:私たちの会社の「らしさ」とはなんだろう?
    7. エコシステム:私たちの理念を育てるためにはどんな仕組みが必要か?

    企業の意思決定の基準となる「ミッション/パーパス」。これらを明確にすることで、社員一人ひとりが自律的な判断をすることができるようになる。
    ミッションは組織の社会的役割(What we do)、パーパスは組織の社会的存在目的(Why we exist)である。本書では、パーパスも包含した意味で「ミッション」という言葉を使っている。

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著者プロフィール

株式会社BIOTOPE代表/チーフ・ストラテジック・デザイナー/多摩美術大学 特任准教授
東京大学法学部卒業、イリノイ工科大学デザイン研究科修了。P&Gマーケティング部で「ファブリーズ」「レノア」などのヒット商品を担当後、「ジレット」のブランドマネージャーを務める。その後、ソニーに入社。同クリエイティブセンターにて全社の新規事業創出プログラム立ち上げなどに携わる。 ソニー退社後、戦略デザインファーム「BIOTOPE」を起業。BtoC消費財のブランドデザインやハイテクR&Dのコンセプトデザイン、サービスデザインが得意領域。山本山、ぺんてる、NHKエデュケーショナル、クックパッド、NTTドコモ、東急電鉄、日本サッカー協会、ALEなど、バラエティ豊かな企業・組織のイノベーション支援を行うほか、MVV策定・実装プロジェクトについても実績多数。2021年に生活の拠点を軽井沢に移し、東京オフィスとの二拠点を往復する働き方を実践する。教育分野、地域創生分野など活動の幅を広げる。著書に『理念経営2.0 』『直感と論理をつなぐ思考法』ほか。

「2023年 『じぶん時間を生きる TRANSITION』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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