自律神経の科学 「身体が整う」とはどういうことか (ブルーバックス) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • とてもいい本です。

    かなり本格的な内容であったが、わかりやすく書かれています。
    医学部の講義を一冊に、一般向けにまとめたもののようで、それに見合う情報の量と質でした。

    原因不明の体調不良は自律神経症かも、そしてその対策が具体的に根拠と共に書かれております。
    また、医学の歴史も少し書かれており、深い知識に裏打ちされた本だと感じました。

    小腸が第二の脳と呼ばれている理由をこの本で初めて知りました。ただ、気になったのが、神経細胞数は小腸≦脊髄<脳なのであれば脊髄が「第二の脳」で小腸が「第3の脳」なのでは?

  • ■■評価■■
    ★★★☆☆

    ■■概要■■
    ○生理学の側面から、人体の神経系の仕組みを、模式図や神経伝達物質名を使いながら説明した本。
    ○対象は大学レベルとなっており、読み物のレベルとしては高め。
    ○図書館の新書コーナーにおいてあったので手を取ってみた。こんな出会いをする本が月に何冊かあってもいいなと思う。図書館なのでお金掛からないので。

    ■■感想■■
    ○**病で処方される薬の効果の考え方は、副交感神経の受容体の物質授受を阻害することで薬として作用して、症状を抑えることができる物がある。これは副作用としてその受容体をもつ様々なところに副反応が出る。阻害物質が外から供給されることで、ホメオスタシスとして本来分泌されるはずの拮抗物質が分泌されずに薬から抜けられなくなる仕組みがあり、かなり怖いと感じた。

    ○医者が処方するものだから、要領に沿って接種すれば安全、という思いもあったが、効果のメカニズムからしてかなり怖い。自分の体で拮抗させる力を強化して、自然治癒に向かうことが最も悪影響が少ないのだなと感じた。

    ○薬なくして事故の面泳力を高めることは、いいんだろうなと。

    ●自律神経には
     ・交感神経  …緊張、腸内活動の抑制
     ・副交感神経 …弛緩、腸内環境の亢進
    をするものがあることは知っていたが、第三の自律神経である
      ・腸内神経系 …交感神経/副交感神経と並行して走っている神経系。内蔵求心性線維が運ぶ情報で尿意などは意識されるが、他の大部分は意識されない。
    ○これは初耳だった。また腸内環境が悪い(腸内の菌の多様性が失われる)とストレス耐性が下がるなどもあるので、自分を大切にするためには、腸内環境をどう整えていくのか、意識する必要があると感じた。

    ○腸内フローラを調べる方法を見てみたが、保険適用外で5千円、1万円、2万円と金額に応じて調べられる種類が異なる。知りたい情報を整理して、腸にいいという食生活を意識して続けた後に、どこかで腸内環境の測定を行うことをしたいと思った。

    ○人間の体内の情報で、自分の意識として自覚指定なくて自動的に体が処理している情報がたくさんある。今の流行りのようにそれらを見えるかなんてしていたら、医者や研究者は別として、一般人には処理すべき情報が多すぎて、困るのだなと感じた。
    ○健康診断で評価するのは異常値だけでよく、とくに意識しない正常値をいちいち見る必要はないと思った。筋トレをしているので、それに関連した値は確認しようと思った。

    ○身体を整えるのは、拮抗する神経系が正常に働き、バイオリズムの中でバランスを崩しすぎずストレスに立ち向かったり、リラックスして休んだり、中庸に戻ることができるのが、柔軟に行えることなのだと思った。緊張にしても弛緩にしても、どちらか一方のみというのは整うことにはならないと学んだ。

  • リアル書店で見て興味を持ったのだけれど、買い損ねていた。電子書籍がポイントで半額還元とのことで、ついそれに乗っかってしまった。おもしろいのだけれど、他人に言いふらせるほど知識として残っていない。中2で神経の話をするときは、中枢神経は脳と脊髄で、末梢神経には感覚神経と運動神経がある、それと反射の仕組み、くらいまでである。それ以上には何も知らないでいた。高校生物で何を教わったかは全く記憶にない。一方、自律神経は自分や家族の体のことを考えるときにときどき出くわしたことばだ。しかし、それが具体的にどういうものかつかめていなかった。本書を読むことで少しは知識として頭に入ったように思う。交感神経と副交感神経のどちらがどうとかはあいまいなままだけれど、要は内臓のはたらきや、瞳孔、汗、涙、血圧、呼吸、排泄などに関わっているということだろう。息は自分で止めたり、深呼吸をしたりとできるわけだけれど、基本的には無意識に行っている。これ、意識にのぼらせるとかえって苦しい。本書を読んでいる間に何度もそれを経験した。息がしにくくなる。今もだ。意識して息をし出すと息ができなくなる。意識を他にやらなければ。排尿や排便については自分の生活の質にもかかわっていることで気になっている。意識的にコントロールできる筋肉と無意識で動く筋肉がある。それはそうだろう。まあ年齢を重ねると内臓も筋肉も弱っていくのは間違いなさそうだ。そのときに、どれくらい薬に頼るか。花粉症で鼻水を抑えるための薬を飲んだりすると一気に口がカラカラになる。効いてほしいところと別のところにも影響はある。そうすると薬はなるべく使いたくない。運動と食物を少し意識することで老化を遅らせることができればいいというくらいか。毎日スクワット20回×2セットとか、なるべく階段を使うということくらいで、それほど強く健康を意識しているわけではないけれど、何でもほどほどの方がなんとなく健康でいられるような気はする。

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著者プロフィール

1948年、群馬県に生まれる。
30代半ば、文学講座で学び、「読んで、書いて、行動する」課程から“人間の自由”に目覚める。
以後、地域に根ざした各種市民運動に連なる日々。この実践活動をこなしつつ、表現活動も手放さず、今日に至る。
1988年 「第十五回部落解放文学賞」小説部門に「糸でんわ」が入賞。
2003年 第七回「女性文化賞」受賞。
八ッ場ダム問題については、最も熾烈だった1960年代後半、新聞報道や近隣の者たちの会話にて耳にしていた。およそ30年余の時を経て、1999年、初めて八ッ場の地に足を踏み入れ、瞬時に魅了されてしまった。運命的な出会いを覚えて、今は疾走状態にある。

「2009年 『新版 八ッ場ダム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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