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感想・レビュー・書評
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基本的に物語スタイルのビジネス書には否定的である。物語部分はあるが,結局は理論的な解説ページが挟まっており,その部分だけで良いと感じることが多い。物語スタイルにすることで,一部の人にとっつきやすくはなるのかもしれないが,理論的な文章に抵抗のない人には冗長なのだ。しかし,本書は,物語スタイルにすることで,理論の理解が促進されるように書かれている。著者は「私は単に考え方の方法論を語るだけではなく,物語に載せて実感を持ちながら読んでもらうことが大切だと思っていた。」と述べているが,その意図は十二分に達成されていると思う。ずいぶん前に『もしドラ』がヒットしたが,あれが源泉なのかもしれない。個人的には,ドラッカー読めば良いじゃんと思ったものだが。
★思考の循環サイクル
①認知:正確に事象を捉える
・言葉
・状況
・意図
思考や主張を捨て認知に徹する。
②思考:筋道を付ける
理路整然と考える
考えを深める
4Step
(1)問を書き出す
(2)考えるべきことに順番を付ける
(3)問いに対する答えを出す
(4)「具体的には?」(解像度)
「なぜ?」(論理)で深める
とにかく手を使う。思考の足踏みに気付く。
③行動:思考の行き詰まりを突破する
(1)話す(相談・壁打ち)
(2)集める(情報収集・ヒアリング)
(3)休む ※脳は20分しか考えられない
④洞察:横にそれて思考する
現有戦力を底上げする
◎知識・経験・感性・勘
定番の問い
(1)認知向き
・抽象化
・構造化
・例示/置き換え
・目的・狙い
・時間遷移
・憑依
(2)思考向き
・影響
・要因
・改善
(3)+α
・示唆/教訓
ビジネス的思考はスピードと成果が重要なので,サイクルを素早く回し続けることが必要。
他方で,脳は20分しか考えられないというのは,ちょっと浅いか。1つの問を100時間考えろというのが哲学なので,多分思考にはもっと持久力があり,集中して考え続ければ,寝てる間にも脳は働いていて,夢の中で答えが出る場合もある。再現性が低く,ビジネス向きではないが。
Why×3というのは,理論=理由付けのためのツールだということが分かったのは収穫だった。ついつい哲学的に根源的理由を考えてしまうが,相手から論拠を尋ねられたときの回答を準備するプロセスなんだな。
自分はおそらく意図の認知が弱いのではないか,あと,思考に手を使うことをサボっていないか。
このシリーズは全部読んでみても良いかもしれない。
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大切なことは「自分の中にあるものを言語化し、書き出す」こと。
それは自分自身の中にあることであり、自分が捉えている世界(現在の状況だったり、相手・関係者等)だったりする。
書き出した言葉を客観視し、思考の足踏みのサインを見逃さずに行動して「認知→思考→行動」のサイクルを回していく。
それが考える力を高め、相応の活動、成果に結びつく。
手元に置き、事に当たりつつ読み返しながら実践することで、更に理解を深めたい一冊。 -
業務改革コンサルティングを専門とし、過去に資料作成、会議の進め方についても同様の形式で本を出している、榊巻による、有効性・効率性の高い考え方の物語形式のハウツー本。考え方を認知・思考・行動に分け、それぞれの考え方のステップを解説することで、効果的に考える具体的なアクションを明確に示している。これを読むことで、確かに自分自身の考え方のどこに癖があり、どこを改善すべきかわかる。また、チームメンバーを効果的に支援できるようになるといえる。
このシリーズは相変わらず最高にわかりやすく、役に立つ。この会社、すごいな・・・。 -
ストリーを読んでいるだけでも面白い本。
認知→思考→行動を回して行く作業については勉強になった。
事前に問を立て問いに対する自分の考えを持ちながら作業を進めるのは大切だと思った。
ゴールは何なんだろう
目的は何なんだろうと自分に問いかけながら作業を進める。