アリアドネの声 (幻冬舎単行本) [Kindle]

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Audibleにて。サスペンス小説。
    兄を亡くした青年のハルオ(主人公)は、過去の出来事から贖罪心を持ち救助災害ドローンを製作するベンチャー企業に就職。
    巨大地震が発生し、地下の絶対的な迷宮に取り残された視聴覚障害の女性、中川博美。
    彼女の救出を試みる感動的なお話。
    ハルオの過去や克服すべき言葉の呪縛、中川博美の障害と生命力、そしてドローンを使った緊迫感あふれる救出活動が魅力的。
    また、ストーリーの中で登場するテクノロジーや技術が、登場人物の心情や行動に影響を与え、ストーリー展開や、登場人物の成長に重要な要素として描かれていた。
    新たな視点を提供し、心に訴える感動的なストーリーを楽しめた作品。

    個人的にはハルオの先輩が魅力的だった。
    仕事においては冷静で優秀であり、部下への思いやりも感じられる一方で、普段の生活では意外と不器用な一面も持つところ。

  • いやぁ……脱帽、圧巻です。
    人間の底力の凄さを、見事に思い知らされました。
    人間は弱い、でもやっぱり強い!
    諦めないという強い意思が、実現させていく最大の『力』となるのだろう。
    そう痛感しました。
    ラストでは感動のあまり涙が……。
    伏線の回収もお見事でした。
    いやぁ……本当に素晴らしい‼️

  • ドローンの機能や操作に関する記載がとても具体的でリアリティを与えており、最後の思いがけない展開で感動してしまった。。
    具体的な科学的な知見を用いて話を展開していくところが「プロジェクトヘイルメアリー」に似ていて、あっという間に楽しく読めました。

  • ネットで話題になっていた本。
    盲ろうの女性を過去に囚われたドローン操縦士が救助する話。
    話題の本だったんだけど、読むのに時間がかかってしまった。
    ラストは色々腑に落ちて良かったけど、ドローンの知識が無さすぎるのか、私の想像力では追いつかなかった部分も。
    でもきっといつか映像化されるような気がするし、そうしたら面白そう!
    主人公の過去が昇華された瞬間は温かい気持ちになりました。

  •  かねてよりの話題作をようやく手にする。自分に状況が想像できるか気がかりだったが、目に見える様に伝わってきた。視覚や聴覚にハンディをもつ人の救出には、これでもかというくらい試練が待ち受けており、試練がある程、もどかしさ反面、今度はどう対処する?と興味が掻き立てられた。新鮮な設定でありながら、現実にも起こりそうで怖い。

  • 最近ハマっている井上真偽の新作。井上真偽の著書はこれで4冊目。
    見えない、聞こえない、話せないの三重障害のヒロインと救出用ドローンという組合せで情報を限定的に絞って不可能状況を作り出している。伏線の張り方とどんでん返しが素晴らしい。

  • ドローンが大活躍するお話なので
    ドローンの専門的な説明が多いです。
    そのあたりはサラリと流し読み

    まるで映画1本を見ているような緊迫感のあるお話で
    あっという間に読了
    物語はとっても面白く、ラストの意外性もありました。
    ただ、いくら不明瞭な熱感知カメラとはいえ
    人間とバッグパックの区別ってつかないものかな?
    でも間違いなく、中川さんは聖人だと思います。
    とっても素敵な女性です。

  • このラストのどんでん返しには、心が震えた。
    あぁまさか…と感嘆の涙が溢れた。

    見えない、聞こえない、話せないのは、三重苦ではなく、三重障害であり苦しみではない、と言う。
    その言葉の裏には、想像出来ない程の大きな苦労と努力、そして涙があったんだろうと思うと、また心が震える。

    サクサク読めたが、もう少し読んでいたかった。

  • 普段ここまで手を出す余裕がないけどAudibleだったので。好き嫌いがはっきりする登場人物もいて、本なら投了してたかもだけど、Audibleのおかげで大変緊迫感が伝わり最後までついてけたのが良かった。被害者救出ストーリー王道で、三重苦障がい者が大地震で崩落後の地下に取り残され、タイムリミットのなか災害用ドローンを操作して救助に四苦八苦する物語。これでもかとお約束のトラップが多く仕込まれ、場当たり的に解決する流れもベタ。それでも最後の仕掛けは全く油断していた。この仕掛けを活かすため、わざとあの好き嫌いな性格設定として読者の意識から外させていたのなら凄いかも。作者は本屋でよく見るけど、喰わせ者揃いのメフィスト賞出身なんでありうるかもしれない。 最後の数ページで印象が変わるのはリスク高すぎでしょう。あぶないあぶない。

  • 徹頭徹尾ドローンの話。オーディブルで聞いたからなのか読み手の問題なのか感情移入ができなかった。新しい展開があるのか期待したまま終わってしまった。

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著者プロフィール

神奈川県出身。東京大学卒業。『恋と禁忌の述語論理』で第51回メフィスト賞を受賞。
第2作『その可能性はすでに考えた』は、恩田陸氏、麻耶雄嵩氏、辻真先氏、評論家諸氏などから大絶賛を受ける。同作は、2016年度第16回本格ミステリ大賞候補に選ばれた他、各ミステリ・ランキングを席捲。
続編『聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた』でも「2017本格ミステリ・ベスト10」第1位を獲得した他、「ミステリが読みたい!2017年版」『このミステリーがすごい!  2017年版』「週刊文春ミステリーベスト10 2016年」にランクイン。さらに2017年度第17回本格ミステリ大賞候補と「読者に勧める黄金の本格ミステリー」に選ばれる。
また同年「言の葉の子ら」が第70回日本推理作家協会賞短編部門の候補作に。
他の著書に『探偵が早すぎる』(講談社タイガ)がある。

「2018年 『恋と禁忌の述語論理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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