じぶん時間を生きる TRANSITION (あさま社) [Kindle]

著者 :
  • 英治出版
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感想 : 10
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感想・レビュー・書評

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  • 私自身、ブランドを一時休止して、サバティカル時間を1年ほどとったからこそ、トランジションのために起こる、「ニュートラルの時期」の苦しさと不安が、痛いほどに共感する。そして、あの時期があったからこそ今があることも、とてもわかる。

    内観の重要性を改めて感じる。
    外的要因による変化は チェンジ
    内的要因による変化は、トランジション

    面白い。
    自分らしくないことを「終わらせる」ことをし
    内面の声に従うために
    ビジョンを言語化、ビジュアル化する

    自分が今やっていることをまさに言語化してくれているような本で、シンクロニシティを感じる、、

  • 先日読んだばかりの「理念経営2.0」の著者が不思議な本を書いていた。
    コロナによって、生活パターンが変わった、と。リセットされたと。
    他人時間が減り、じぶん時間が増えた、と。
    自分といわず「じぶん」としているところにこだわりを感じるが。

    そしてそこから、著者は軽井沢移住、という決断をした、と。
    本の半分近くは、この軽井沢移住体験記、だったように思う。

    そして、単純に、「いいなー」と思ってしまった。
    東京から新幹線で約1時間。
    自然に囲まれ、それでいて街はにぎわっている。
    妻があこがれている薪ストーブでもなんでもOK。
    人気リゾート地といっても都内ほど高いわけじゃない。
    妻の実家にも近い、、、

    あこがれてしまう。

    もちろんデメリットも書いてある。
    最初の一年は疎外感がある。
    著者も書いているが、それはどこに転居しても同じこと。
    梅雨どき、冬がしんどい、、、これはどうとらえるか、だな。
    車がないとどこにも行けない。私は走っていくか。

    子育てが終わった60代夫婦の選択肢、
    だけではなく、子育て真っ最中でも自然環境を求めて
    こういう暮らしをする人が出てきている、とのことだ。
    元気な孫もこういう環境のほうがいいんだろうなあとは思う。

    あとはどうやって生計を立てるか、か。
    リモートで仕事ができないわけではないと思うが、
    会社勤めだとそれを許すところがあるかどうか。
    新幹線通勤?
    完全リタイアの場合、一日をどう過ごすか。
    読書とJSPORTSとランニング、そして農業の真似事で
    なんとかならないかなあ。

    。。。。この本がほんとうにいいたいこと
    (資本主義の生産性、効率性の他人時間から
    じぶん時間、豊かさへのTRANSITION)
    そっちのけで、
    そんなことを考えてしまった。
    まあ、じぶん時間を考えていることには違いないんだろうけど。

    まあ、猫が健在なうちは無理だけどね。

  • 新たな時代の変化の中で、どう価値観を変えていくべきかを考えるための本です。
    コロナ禍はさまざまなものを大きく変え、リモートワークの普及などもあり、時間の使い方も大きく変わりつつあります。
    これまでの生産性、効率性重視の社会で失っていた時間の余白を取り戻すことで、これからをどうすべきか考えることができそうです。
    そんな変化のために必要な「じぶん時間」の重要性がわかります。
    生活の変化に戸惑い、どうすべきか悩む方などが読むと、その解決のヒントが得られそうな1冊です。

    【特に覚えておきたいと感じた内容の覚え書き】

    「転機の始まりは『終わらせる時期』。今まで当たり前だったものを手放していくことが大事になる。いったん終わらせることで、新たに別のものを受け入れる余白をつくる。人は、自分で思う以上に、惰性で続けていることが多い。」
    「何かをやめて生まれる空白の時期は、何者でもない恐れとも対峙する長い探索の期間でもある。この時期は、興味のあることはとりあえず何でもやってみるのが大切。不安や恐れへは、自分の感情を書き出す、誰かに聞いてもらう、不安の正体と向き合うことで対処する。」
    「新しいものが生まれる『再生期』では、あれこれトライしたものの中で、『この方向にいけば面白いのではないか』ということとの出会いからスタートする。最初はそのビジョンが淡い光でも、重ねていくと次第に輪郭を持ち出す。」
    →自分の転職、創業も、まさにこうだったかもしれないと思えました。空白の時期はとても不安ではあったものの、開き直っていろいろやってみようという気持ちになれることは多いのでは。

    【もう少し詳しい内容の覚え書き】

    ・「チェンジ」は外的要因による変化だが、価値観やアイデンティティの内的要因による変化「トランジション」がある。コロナ禍でライフスタイルが変化する中で、時間のとらえ方=時間感覚のシフト、具体的には「他人時間」から「じぶん時間」へのシフトが起こっている。
    ・人は、常に時計の時間で、一人ひとり決まった1日24時間を生きているが、その時間をどのように感じ取るかは人の心が決められること。時代の変化に無理についていこうとせず、自分の心身で感じ、やりたいことをイメージして、それをやろうと自己決定する力が必要。

    ○グレートリセット
    ・生き方が180度転換してしまった生活においては、「豊かさ」の意味も変わる。「すごい」で語られていた豊かさが、自分のモノサシで豊かさを測る「いい」という新たな概念ができた。それは一人ひとり違うし、比較もできない。これは社会が元通りになっても不可逆的では。
    ・以前の日常は、欲望を刺激し、アドレナリンやドーパミンを放出していく「経済を回す」消費行動。物質的な豊かさが行き渡る過程においてはうまくいったが、時間の余白をなくし、内なる幸せを味わえなくなった。自分中心の人生のポートフォリオの組み替えが必要。

    ○新しい自分に出会う
    ・転機の始まりは「終わらせる時期」。今まで当たり前だったものを手放していくことが大事になる。いったん終わらせることで、新たに別のものを受け入れる余白をつくる。人は、自分で思う以上に、惰性で続けていることが多い。
    ・働き方に行き詰まったら、まずはそれを受け入れること。仲間を作り、ありのままの自分をお互いに開示し合う。その上で、少しずつ行動を変えていく。
    ・何かをやめて生まれる空白の時期は、何者でもない恐れとも対峙する長い探索の期間でもある。この時期は、興味のあることはとりあえず何でもやってみるのが大切。不安や恐れへは、自分の感情を書き出す、誰かに聞いてもらう、不安の正体と向き合うことで対処する。
    ・新しいものが生まれる「再生期」では、あれこれトライしたものの中で、「この方向にいけば面白いのではないか」ということとの出会いからスタートする。最初はそのビジョンが淡い光でも、重ねていくと次第に輪郭を持ち出す。
    ・ビジョンづくりは楽なプロセスではなく、考える時間の確保が難しい、制約の過剰な意識、具体化できない、独自性、わかりやすく人に伝えられないという5つの壁がある。頭で考えず必ず手を動かす。理想はお互いを深く理解しているとのペアで考えること。

    ○24時間のポートフォリオを書き換える
    ・テレワークの普及で、リアルとオンラインのバランスを模索することも増えているのでは。リアルで顔を合わせる「ハレの場」をあえて設けることも大事。
    ・今はリアルの世界でもSNSが「社会の窓」になっていて、インターネット空間で起こっていることがリアルの空間でそのまま起こる。「これをやりたい」というビジョンを起点に継続的な発信を続けると、世の中のニーズを引っ張り出し、価値も生み出せる。
    ・コロナ禍を経て、トレンドそのものが都会からなくなりつつある。街のメディアとしての役割は減り、情報がスマホのSNSに移り、人によって嗜好性が違うタイムラインがメインになり、共通のメガトレンドは減った。情報発信する人も、地方に発信の拠点を移しつつある。
    ・都市を離れ、スマホがメインの情報源になると、アルゴリズムのおすすめ表示により、自分の好きな情報しか入ってこなくなる。バイアスを補正するために、あえて新聞を読む、仕事と違うコミュニティの人に会う、「移動」を生活に取り入れる、といった工夫が必要。
    ・今後、リモートワークが生活のインフラとして定着していくことは不可逆な流れで、「働く」ことの意味合いは変わる。大事なのは、誰かに言われてやっている他人起点の仕事をできるだけ減らし、自分の「好き」や「やりたい」を起点に自分の仕事時間を設計すること。
    ・やりたいことが明確にある人はどんどん自分で学び、アウトプットを発信する。アウトプットがさらに人を集める好循環につながる。やりたいことがない人は、日々何も起こらない。ワクワクややりたいをどのように仕事の中にデザインできるかという問いが重要になる。
    ・地域によってさまざまな食文化や特産品があるように、「食」とは地域文化を体験できるメディアのような存在。食を振る舞うという行為が「メディア」として媒介し、「人のつながり」をつくるプロセスに一役買っている。料理を振る舞えれば、関係性構築の武器になり得る。
    ・地域を盛り上げる活動に参加することは、コミュニティを広げる感覚がある。異なる地域に住む人が、お互いに困ったことがあればサポートし合うといったことを経営の営みとすることで、拠点となる場所以外にホームが拡張し、経済圏が増え、人生の豊かさにつながる。
    ・自分のやりたいことを実現できる余白のある環境で育った人は、クリエイティブやイノベーションといった部門で受け入れられやすく、オペレーションの部門では「駒である」ことが求められる。どちらでもパフォーマンスを出せるのは大事で、2つの間を往復するとよい。

    ○「じぶん時間」を取り戻す
    ・生産性を上げるゲームを続けると、心身が耐えられなくなる。特に、クリエイティブな仕事だと、創造性が枯渇する危険もある。常に同じ生産性を保てるわけでもなく、気分が乗らない時もある。適度に休憩し、現実逃避に時間を使う方が、結果的に何かが閃くこともある。
    ・人は、無意識に未来の目的のために「今が効率的な時間の使い方かどうか」という思考を持ってしまうが、それは20世紀に優勢だった価値観。「今・ここ」を楽しむことの蓄積の中で、結果的に未来が生まれるという考え方があるが、これは「じぶん時間」を生きるのと同じ。

  • 著者自身が都会で他人軸の生産性に追われたラットレースに疲れてしまい、コロナ禍・リモートワークなどをきっかけに地方移住し、新しい自分軸の過ごし方を手に入れていったという話でしたが、自分自身は今のところ都会暮らしでバリバリ働いていてももそのような息苦しさは感じていないため、あまり興味が湧かず途中で読むのを止めてしまいました。
ただ、外的要因によって強制的に変わるチェンジではなく、自分自身の内面を見つめて内発的・自発的に自分軸の生き方・考え方に変わっていくこと=トランジションが大切という、自分中心で変化していくことの重要性については賛同できたので、今後の自分の生き方を考える際には目の前にある選択肢が「相手軸か」「自分軸か」という判断をしっかりしていこうと思いました。

  • 自分の時間であったり生活にも目を向けようみたいな話

    我々はよく効率化を求めているが、それってほんとに良いんだろうか、やってる初期は良いけれどどんどんと疲弊してしまうがそれに気付けてる人は多くないよねとかそういう感じの投げかけがあり、ハッとする。

    また、好きを仕事にするためにはというところはある程度同意できる内容だった

    働き方や生き方、色んなものとの接し方みたいな部分を見直してもいいのかなと思える本でした

  • いま、私が悩んでいることや、向かっている方向性に対していろいろな視点から参考となる情報がたくさんあった。
    この1年は、たぶんいろいろ読み返すと思う。出会えてよかった一冊。

  • 筆者の考え方(要は自分の時間を消費して生きる生き方ではなく、地方で何かを作りながら、人間関係を豊かにしながら、ゆっくり生きていく)には全くもって同意。
    ただその生き方ができる人は大きく限られると言うところには留意が必要(個人事業主や自分の「頭脳」だけで十分に稼げる人等)

  • コロナをきっかけに、資本主義のラットレースからの距離の取り方を考えた本。
    競争、成長、未来への発展/富の為に、日々忙しくしている人々。
    一度立ち止まって、自分の時間で自分の生活を考えてみる。他人時間から自分時間へ。
    今、ココ、を楽しむ生活は、ゆっくりと深い。
    ただ、著者の軽井沢での生活は、理想的に映るが、多くの人が実践できるモノではないかもしれないな、、とも思う。
    考えや、そういった社会の流れが起きているということを知るとても良い機会になった。
    自分の生活に取り入れていけることはあると思う。

  • クリエイティブなことをやっていて生活が出来ている人が、軽井沢に移住するということを書いたものである。そこには、非正規雇用であること、持病があり病院通いが欠かせない人、家族が全員車の免許がない、という状況は入っていない。
     在宅勤務が続けられ、生活に余裕がある人向けの話である。なぜ退職した人が軽井沢に移住できるのかということでは、定年退職して年金がもらえないと軽井沢では生活できないというやむを得ない状態がある。
     学生向けではない。

  • 『じぶん時間を生きる』完全に自分の本として読めた。本や映画は触れるタイミングによって受容できる質が決定的に変わる。生産性の奴隷的に働き通し、ぶっ倒れてケニアで晴耕雨読の生活、そして今また東京に戻ってこれたこのタイミングで生き方を自省しながら読書できた。

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著者プロフィール

株式会社BIOTOPE代表/チーフ・ストラテジック・デザイナー/多摩美術大学 特任准教授
東京大学法学部卒業、イリノイ工科大学デザイン研究科修了。P&Gマーケティング部で「ファブリーズ」「レノア」などのヒット商品を担当後、「ジレット」のブランドマネージャーを務める。その後、ソニーに入社。同クリエイティブセンターにて全社の新規事業創出プログラム立ち上げなどに携わる。 ソニー退社後、戦略デザインファーム「BIOTOPE」を起業。BtoC消費財のブランドデザインやハイテクR&Dのコンセプトデザイン、サービスデザインが得意領域。山本山、ぺんてる、NHKエデュケーショナル、クックパッド、NTTドコモ、東急電鉄、日本サッカー協会、ALEなど、バラエティ豊かな企業・組織のイノベーション支援を行うほか、MVV策定・実装プロジェクトについても実績多数。2021年に生活の拠点を軽井沢に移し、東京オフィスとの二拠点を往復する働き方を実践する。教育分野、地域創生分野など活動の幅を広げる。著書に『理念経営2.0 』『直感と論理をつなぐ思考法』ほか。

「2023年 『じぶん時間を生きる TRANSITION』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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