能力はどのように遺伝するのか 「生まれつき」と「努力」のあいだ (ブルーバックス) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 大谷翔平や藤井聡太のような、同じ人間とは思えない卓越した能力は、どうしたら得られるのだろうか。生まれつき決まっているのか。それとも努力や環境しだいなのか。 
    人類がいまだに答えを出せずにいるこの問題は、「遺伝」につきまとうタブーや偏見が邪魔をして、長い間、正面から議論されなかった。「遺伝と能力」という問題は、パンドラの箱に深くしまわれたままだった。
    しかし、双生児の比較から能力と遺伝の関係をあぶりだす行動遺伝学は、唯一、この問題の研究を続けてきた。そして近年、発達著しいゲノムサイエンスによって個人の遺伝的素質がすべて暴かれるようになり、研究は一気に加速した。その数々の成果は、これまで誤解だらけだった「遺伝」そして「能力」の正体を、白日のもとに引きずり出した。ついにパンドラの箱が開けられたのだ! 
    日本の行動遺伝学をリードする著者が、「遺伝」にまとわりつく無知の闇を真実の光で照らし、「自分」がわからずに悩む人たちに本当の希望を与える書!
    「講談社BOOK倶楽部」より

    自分は運動をするので、アスリートの能力がどのように遺伝するのか、という点に絞って考えてみる.

    アスリートとして才能を開花させるのは「生まれつき」なのか、「努力」なのか.

    「才能」というものは、周りがその能力を秀でていると認めたもの.社会的なものさしで測られたものにすぎない.
    まぁ、こう書くと元も子もない、、

  • 障害は偏差の外れ値、というのは厳しい事実でもあるし、と同時に納得感があり、それを受け入れてこれからどうするかを考えられるようになる話でもあった。遺伝によってマインドセットが違うこと、環境の影響と遺伝の影響の相互作用など、「なんとなく感じていたことが科学的に裏打ちされた感覚である」とわかったことで、じゃあどうするか、に役立ちそう。
    時々話が難しかった

  • 遺伝の研究には双子がよく使われてるんだ、色々難しかった。結局色んな複合的な要因があるから、これは遺伝!これは環境!って断定できないんだな。

  • 遺伝と環境、能力に関係するのはどちらなのか。
    天才は生まれつき天才なのか。
    巷では、よくそういった極端な二局論で語られることが多いが、そうではなく、それらは交互に作用し合っている。
    まずは、遺伝子に目を向けることが、より良い社会につながっていくのではないだろうか。

  • 話は読んでいて混乱するが、納得するような内容。ただ、頑張る能力とかも影響を受けるのだなという悲しさ。

  •  いつも利用している図書館の新着本リストで目についたので手に取ってみました。
     「遺伝」に関する著作といっても、私がイメージしていた「分子遺伝学」的な内容とはかなり異なっていました。
     本書は、「行動遺伝学」の最近の研究成果を紹介したの入門書のようです。
     ただ、議論の前提となる遺伝子に関する知識はもちろん、議論に登場する用語の定義から理解できず、本書で展開された専門的な解説には、全くといっていいほどついていくことができなかったというのが正直なところです。

  • 3

  • 動物も人類くらい多様なのだろうか?
    人間の脳も機能の異なる個体の組織だというし、人間もみな機能(得意、不得意)が異なる存在を集めて組織化して活動して種を繁栄させてきた。欲求から行動が生まれて、うまくいかなかったらアプローチを変えたり欲求の根源を見直すために頭を使う。そうして自分がハマるところで活動していくのかな。

  • 最初の方、議論の前提となる用語の意味や使い方が説明されていて、議論の進め方が丁寧

    実現結果の分布グラフや出典も引用されていて、議論の仕方に信頼ができる

    途中、知能と環境の(相関・相互)関係図が出てきたあたりから、議論についていくのがしんどくなってくる どんな考え方からその関係図が作られるのか分からない、その関係図をどう読めばいいのか分からない

    終盤は脳の機能(働き方)についての用語はその意味も定義しないで使われるようになり(他の本で読んだことがある言葉だったので、なんとなくの意味は分かるけど)、何度も読まないと書いてあることはちゃんと理解できないと思った

    それでも、著者の言いたい結論はところどころに書いてあるので、途中の議論が分からなくて誤解してるかもしれないけどなんとか最後までは読めた

    知識や技能は学習によって獲得・蓄積されるから努力は報われる可能性があるけど、ちゃんと継続して学習し続けられるかパーソナリティは遺伝的に獲得される性質だ、という序盤に示された結論が本書で得られた1番の成果か

  • 安藤さんの本

    家庭内の遺伝のばらつき
    心の遺伝

    などについて述べている。
    遺伝の中でも表題の通り、能力の遺伝について述べている。

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著者プロフィール

慶應義塾大学文学部教授
主要著作・論文:『生まれが9割の世界をどう生きるか―遺伝と環境による不平等な現実を生き抜く処方箋』(SBクリエイティブ,2022年),『なぜヒトは学ぶのか―教育を生物学的に考える』(講談社,2018年),『遺伝と環境の心理学―人間行動遺伝学入門』(培風館,2014年)など

「2023年 『教育の起源を探る 進化と文化の視点から』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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