- Amazon.co.jp ・電子書籍 (201ページ)
感想・レビュー・書評
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Audibleで視聴したが、ひたすらカミカゼを発案した軍人の戦歴の説明が続き、飽きてしまって途中で挫折。本で読めばまた違ってくるかもしれない。
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桜花発案者が終戦後、零戦で太平洋に向かい、その後消息を絶ったこと、生存説の囁かれていたことは知っていたが、生きて他人になりすまし新しい家庭を持ってその生を全うしたことは本書ではじめて知った。
彼が悪人だったとは思わない。だけど戦中、戦後の各人の身の処しかたをみていると、「いいやつはみんな死んでしまった」と言いたくもなる。 -
特攻兵器「桜花」を発案した男の数奇な人生を綴った本。桜花を発案した太田のことをテレビのNHK特集で知り、あの時は太田のことをとんでもないやつだ!と思っていたが、NHK特集は一部の取材によって構成され、太田は悪であるかのように論じきっていたことが分かった。本書は太田の生い立ちや彼を取り巻く人々の執念深い取材によって書かれている。太田の人生や特攻兵器「桜花」を俯瞰的に知るのに役立つ本である。
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初見の身にとっては衝撃的だが、太田氏が素性を変えて生きぬいたことは、NHK初めメディアでも報道された既知のようだ。
氏が80代になっても自死を企てるまでに追い込まれた陰に、責任をとるべき人が英雄のように生き抜いたという。そのことが何とも許しがたく、やるせない。 -
「桜花」の発案者・大田正一の人生を
家族の側から描くノンフィクション。
スミソニアン博物館で「Baka Bom」と展示されている。
「桜花」はグライダー状の飛行機で大型の戦闘機にぶら下がり目的地で切り離され、体当たり攻撃をする特攻兵器のひとつだ。
桜花は知っていたけれど、一介のそれも特務士官が考え出したものだとは知らなかった。
大田正一の名も初めて知る。
しかも、この大田は偽名を名乗り、戸籍もないまま、
戦後を生き、80余年の人生を全うしたそうだ。
家族は父であり夫である人の生き様を知らなかったという。
父の死後数十年経って、息子が著者に連絡をとったことから父の足跡をたどるというのが本書。
NHKの番組で放送もされたそうだ。
正直、Wikipediaに書かれた大田正一の内容は厳しい。
実際、著者らが訪ねたときも、そういった反応をする人が多かったようだが・・・
戦争がひとりの、ちょっと目立ちたがり屋の男を追い込んでしまった・・・
もともとの妻子を顧みなかったことなど
決して許されることではないだろう。
それでも、そのおおもとはと考えると、切ない。
しかも、コロナ禍を経て、正一の遺族も・・・
戦争の重い傷を受け止めたがゆえといえるのではないか。
やるせない。
知らないことばかりの自分。
知ったところで何もできないとわかっているけれど、
今が「最後の戦前」になりかねないからこそ
きちんと戦争について知っていきたい。