キッチン・セラピー [Kindle]

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  • 講談社
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感想・レビュー・書評

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  • 2話目の『完璧なパフェ』すごく沁みた‥
    子育て中の今、毎日自分が感じてることをうまく言葉にしてくれる感じ。

    フレーズフレーズが、とても刺さる。

    『私が住んでるのはゴミ溜めだっけ?おかしい。綺麗に片付けたはずなのに。いつ片付けたっけ。いつもだ。覚えていないくらいいつもだ』

    『入りたかった会社に入って、好きな人と結婚して、欲しかった子供を産んだ。2人も。全部望んだものなのに、欲しかったもの全部を組み合わせた結果がゴミ溜めゾンビ映画だなんて一体どういうことだろう』

    などなど。

    最後泣けた。

  • 無機質なカウンセリングルームを想像していたらそこはまるで違う場所。キッチン、料理を通して傷ついた心を癒していく町田診療所。
    第1章、医者になれと追う母親の期待に沿ってあゆんできた男性。家にある食べもの全部持ってくるよう言われ、なんでもかんでも、ピクルスや雪見大福までカレーに放り込む
    町田に行電するも、何でも溶け込み受け入れてくれるカレーは安心感をくれる。
    第2章。ワンオペ育児で慌ただしい毎日。怒ってばかりの自分に自己嫌悪。自分を蔑ろにすることが当たり前になぅている女性
    「好きな果物は何ですか?」の問いに家族の好みや子供への食べさせやすさで選ぶ女性に「あなたの顔が好きと言っていない」と指摘する町田。
    自分にとっての世界一のパフェを作るという取り組みは
    自分の好きな物、自分を大切にすることを教えてくれる。
    多忙で料理に賭ける時間など皆無の女性医師
    自分と違い手が込んだ料理を大事にする妹や友人へのもやもや。町田の友人に連れられ「狩り」に参加する
    命と向き合う重みに、自分が本当に熱中できることを知る。失恋の辛さも。
    食べることは生きること、それぞれの物語が伝えてくれる

  • 一作目のレペゼン母が良かったので、2作目となるキッチンセラピーも楽しみにして読みました。でも期待はずれだったかな。急に無難な小説になった感じがします。

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著者プロフィール

宇野 碧(うの・あおい)
1983年神戸生まれ。大阪外国語大学外国語学部卒。放浪生活を経て、現在は和歌山県在住。2022年、本作で第16回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。旅、本、食を愛する。


「2022年 『レペゼン母』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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