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感想・レビュー・書評
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人口・気候変動・エネルギー・民主主義・格差・テクノロジー...膨大なファクトから未来を予測。
中国は経済的にアメリカを抜き1位になり、インドは人口1位で経済は3位の大国になるのは確実で、これは歴史的に見ればインドと中国は本来あるべき正しい位置に戻るのだと著書は言う。確かに人類の歴史を考えればこの2つの国が長く世界を支配していた。
経済・環境は大事だが、人口、特に若い年齢の人口動態が国の行く末を大きく左右するようだ。若い人口が増えていくインドの未来はエキサイティング、経済1位になるが老いる中国は攻撃から協調へと変わっていくと著者は予測する。
経済的に発展する東アジアと同じ時間帯であり、アングロ圏に属するオーストラリア(ニュージーランドも)は幸福が続くと予測されている点もなるほど、と思いました。
世界の人口が高齢化するので、教育産業と医療産業が製造業のように進歩することが必須。著者はテクノロジーが解決してくれると予測している。高齢化の最先端を行く日本はそのパイオニアになれるのだろうか。
経済構造(世界の最先端からは遠ざかる...)、国の財政状況(混乱と痛みを伴う解決策が必要...)、地政学的に(内向きになり過ぎる...)...島国の良さと悪さがどちらに転ぶのだろうか。
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世界の現在地
序章2020年からの旅
第1章わたしたちが生きている世界
変化をもたらす五つの力
第2章人口動態ー老いる世界と若い世界
第3章資源と環境ー世界経済の脱炭素化
第4章貿易と金融ーグローバル化は方向転換する
第5章テクノロジーは進歩し続ける
第6章政府、そして統治はどう変わっていくのか
2050年の世界はどうなっているのか
第7章アメリカ大陸
第8章ヨーロッパ
第9章アジア
第10章アフリカ・中東
第11章オーストラリア・ニュージーランド、太平洋
本書の大きな考え方
第12章この先の世界を形づくる大きなテーマ
ー不安、希望、判断ー
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普段、生計を立てるために日本で一生懸命家族や自分のために働いている近視眼的な視野を、世界規模に押し広げてくれます。
未来予測の内容はやや平凡に感じました。もう少し最先端技術に沿った夢もほしいところです。 -
これからインドの存在が大きくなっていく。日本は現状のままぼちぼちいきそうだ。アメリカは,徐々に停滞していく。いろいろな国に投資をしなければならない。よって,オルカンがいいと思った。
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世界の各地域のそれぞれの状況が俯瞰で記載されている。
本当かと思うところもあるけれども、2050年までに何が起こりそうかの雰囲気はわかった。
どの地域も安泰ではない。 -
アメリカや中国、日本など大国の未来を予想している本は多い中、アフリカや南米、アジアの小国まで網羅していて、歴史とデータから俯瞰的に2050年を考えている一冊です。
欧州と旧イギリス植民地(アメリカ、カナダ、オセアニア、インド周辺)の記載が詳しく、日本はそこそこ書かれてますが、朝鮮半島とかは記載少ない印象です。
個人的な考え方として「アングロ圏」というのはありかなと思いました。 -
未来を予測するのは容易いことではない。その中で、本書では未来に変化をもたらす5つについて解説している。
1つ目は、人口動態である。人口動態については比較的予想がしやすい。インドでの人口は増え続け、逆に中国の人口は減少する。またアフリカの人口が爆発的に増大する。先進国は高齢化が進むが、アメリカは移民が増える。そして、その人口動態にうまく対処できるかどうかがその国の運命を左右することになる。
2つ目は、資源と環境である。地球温暖化や海洋でのプラスチックごみが問題となっているが、食料や水なども不足する。これらは特に、貧困国で重大な問題となる。人間の英知と創意が益々必要となるが、筆者は対処できると考えているようだ。
3つ目は、貿易と金融である。これらのグローバル化はどんどん進んでしまったが、これからは財の貿易からアイデアと資本の貿易へとシフトすると考えているようだ。2050年には、世界の人口の3分の2が中間層以上の生活水準となり、より洗練された商品やサービスを手に入れようとすることになる。
4つ目は、テクノロジーの進歩である。私たちがテクノロジーに求めているものは、平和やコミュニティ、家族、健康、娯楽などで、それほど変化はないようだ。但し、今本当に必要なものは、人類が地球上に残すフットプリントを減らすためのテクノロジーであり、その通りであると思う。
5つ目は、政府とその統治である。民主主義がうまく機能していない場面が多々見受けられるが、うまく対処できるように修正できるのかどうかが問題だ。独裁国家がこれ以上増えるのはいやだと思うが、何かよい解決策はあるのか。非常に難しい問題である。
以上の5つの点を踏まえて、各国や地域での将来を予測している。やはりアメリカは今後も世界の中心であることは間違いないようだ。そして、人口が増えるインド、アフリカには注目しておがなければならない。
また、将来不安となる10のことと、前向きに考えることができる10のことが書かれている。ここまで考察された本を読むのはなかなか面白く、読み応えがある。
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この手の書籍は長くて重い内容なので精読するのが難儀だなといつも思います。
地球単位のマクロな話題なのでどのくらい興味を持てるかはその人の影響範囲の広さに比例するなと思いつつ、私個人で言えばビジネス上も日常においてもそこまで強く惹きつけられる内容では無いので結構飛ばし読みした。
高い精度で未来を予測しようと思うとどうしても抽象度は上がるので、読んでいてそりゃそうだよなと想像を超えてこないところもある。
一方普段そこまで考えることが無いのでなるほど確かにそうなるなと発見があるところもちらほらある。
雰囲気として約30年の間にこうなるんやろなぁ、という流れを感じられればひとまずはOKな書籍かなと思います。 -
思っていた以上にボリューミーで読むのに時間がかかった。
この著者は30年ぐらい前に、「2020年地球規模経済の時代」という著書を出していて、2020年までに
・イギリスのEU離脱
・アメリカの政治の破綻
・感染症問題
が起きると言っていたらしい。
勿論ほかにもあげたことはあったんだろうけど、この3つに関しては当たったということらしく。
先のことはわからないけど、現実を見据えて将来を予想するということは常に大事だろうと思う。
そういう意味では示唆がある。
個人的には読んだら「〇〇にはお金をあまり向けないようにしようかな」みたいに思うところはあった。 -
中国とインドは、1820年ころの世界的地位に戻るだろう。
ロシアは人口減少となり、インドや中国のような発展は難しい。
アジアの国々が先進国化するには、中所得国の罠を解決することが鍵。
世界の人口ランキング(2050年予測)
・インド(16億人)
・中国(14億人)
・アメリカ(4億人)
・ナイジェリア(4億人弱)
・インドネシア→パキスタン→ブラジル→バングラディシュ(2億〜3億人)
韓国の出生率は世界一低い(0.92)北朝鮮は2弱、なぜこのような対比となるのか -
2050年、100億となった人類は英知を集め地球平和を維持できるのか? ぐるっと一周、地球各地域の変化可能性を人口動態、資源環境、貿易金融、テクノロジー進化、政治統治の観点から、整理して考える上で参考になる良著。分断化が進む2024年にあって、この流れが止まることを祈るばかり。食料・水問題に直結する地球環境問題がキーワードと感じる。地球からは脱出できないのだから。 本書では民主主義システムで100億人の満足は無理と断じる。はたして総中流・AI主導の世界はどのような世界か? イスラエルのピアニスト・指揮者ダニエル・バレンホイムが2006年に語った力強い言葉「イスラエルの未来にとって必要なのは、イスラエル人がアラブの文化に耳をすませることだ。中東の伝統と共生してヨーロッパの伝統を高め、豊かにするということだ。」が胸を打つ。多様性を認め合える時代への移行期間、残された時間は少ない。