さみしい夜にはペンを持て [Kindle]

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 32
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感想・レビュー・書評

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  • 文章が書けないとお嘆きなあなたにうってつけ御誂え向きな一冊です。とある海底の街に住むタコが、ヤドカリの先生の指導のもとに日記を書き始め、やがて、懇意になる友達もできるというまでを描いたフィクション型式の文章指南書です。読んでいて時として涙がちょちょ切れるような気分にもなりますが、いずれにせよ読んでいて、何か自分自身の心のうちにある何かを吐き出したくなるような作品だったなあと思いました。オススメ致します。

  • 小中学生にも大人にも読んでほしい。
    学生の頃から何度も日記が続かなくて挫折していたから、早く出会いたかった本。丁寧に自分と向き合いたいと感じた。言葉が優しくて読み終わった頃には心が落ち着く。


  • 話をするとスッキリする。これは頭の中を掃除するようなものだ。モノを書くことも同じ。
    悩みや不安が頭の中で繰り返されることは皆さんあるだろう。
    書くことは、答えを出すことである。そのため、モヤモヤと頭の中での悪い流れを断ち切ることができる。



    そのために自分以外は、読まない日記を書くんだ。
    教育のなかで、人に読ませるものしか書いてこなかった。本音のない文章しか、書けなくなっている。
    出来事てはなく、思いや考えを書いていこう。



    よく見るのが「面白がった」などという文章。
    これは言葉を決めるのが早い。時間をかけて丁寧に、感情や考えを説明することがめんどくさいから起こる。
    極端ではあるが、暴力も同じ。時間をかけて説明することがめんどくさい。手をだして、分からせようとしている。

  • 自分の中で日記というと何もない日は書きづらく
    起こったことをサラサラと書くだけのものだったり
    時々自分の感情を書き殴ってしまうものだったが、
    日記は毎日の出来事を少しスローモーション に1つ1つを写真のように切り取って書いていくと自分でも知らなかったもう1人の自分を知ることができるのだと思った。
    この本を読みながら、日記を書いていくといつもより日記を楽しく、そして自分はこんなことを考えているんだなということが少しわかるようになった気がします。
     そして、ヤドカリのおじさんの言葉がとても温かく、寝る前に読むと心が落ち着く作品。

  • 個人的に参考になったのが、悪口や愚痴の書き方。
    語尾に「~と思った」と書くと、ネガティブな感情と自分の間に距離が生まれ、「どうしてそう思ったのか?」という問いにつながり、それに答えながら書くことで気持ちの整理ができるそうで、これはやってみたいと思った。

    読んだあと日記や文章を書きたくなったというレビューが多いけど、私はそうならなかった。なぜなら「これでいいのだろうか?」「この書き方で正解?」などと考えながら書いていたら、書くのがしんどくなってしまったから。

  • あれあれ、まるで私に言ってるような‥‥一言一句が。
    絵もとても繊細な素敵な・・・・
    やっぱり日記帳を買おうと思った私でした。

  • 書くことが何故大事なのか、がわかりやすくまとまっている。日記が長続きしなかった理由がなぜかもヒントを貰えた。

    ・思うと考えるは違う。考えるは答えを出そうとすること
    ・今頭にあるのは心配事なのか考え事なのかを分けて整理をする
    ・言葉にすれば後戻り出来ないが、書いて整理することは何度でもやり直せる
    ・日記は時系列の記録では無い。書きたいと思った情景をスローモーションで描き、その時描いた気持ちや感情が何似てるか?を一つ一つ丁寧に噛み砕く。
    ⇒後に見る自分が読者として楽しんで貰えるように。

  • 「『書こう』と思った瞬間、カメラはスローモーションに切り替わる」。

    これは読書も一緒だった。何か書こうとして読まなかった本は内容を覚えていないことが多い。かといって、自分の場合は、何か書いたとしても、基本的にはそのときに思ったことばかりを感想として書くことが多いので、後で感想を読み返したところで本の内容は全く覚えていないことが多いのだけれど。それでも何かを書いておくことは意味があることなんだろうなとは思う。最近は少し時間が作れるようになったので、本を読んだ後はこうやってブクログになるべく記録を残しておこうとしている。積み重なっていくのも楽しいしね。

    以前、フォトリーディングのセミナーを受けたことがあるのだけれど、まず最初にやることは、本を開く前に「自分はこの本から何を得たいと思っているのか」を考えることだと教わった。そのときは、ビジネス書や自己啓発書の場合には意味があるのは理解できるが、小説の場合は何を目的すればいいんだ?とは思っていた。でも、例えば、「スリルを味わってすかっとしたい」とか「まったりとした文章を読んで気持ちを和らげたい」とか、そういうことでもいいのかなと最近は思っている。その目的に沿うのであれば、別にフォトリーディングのようなスピードを求める必要もないんだろうなと思ったりもするようになって、のんびり読書を楽しむようになった。

    この本は日記についての本。日記は何度もチャレンジしているが上手く続いていない。書くのが面倒になってしまって止めてしまって、でもやっぱり書いてみたいと思って再開したりを繰り返している。3年日記を買ってみて1年前の日記が読めるようになってからは、ちょっと面白いかもとは思うようになってきた。でも、やっぱり毎日は続かない。「書けなかった日もそういう日だったという記録」なんて言い訳にして1か月も2か月も空いてしまったりするときもある。内容も、どちらかというとやっぱり記録になってしまっているような感じで、夜に日記を目の前にすると「今日も書くことないな」なんて思って、ページを開かなくなる。この本を読んだ今日だって、「日記」となると書くことは正直何もないと思ってしまう。本当は、このブクログの内容がそのまま日記の代わりでいいんだよなぁ。「日記」という言葉や形式に縛られ過ぎている自分がいることは、この本を読んで改めて気付いたことかもしれない。

    今回の本を読んでみてまず思ったのが、「タコジローの日記は1日目からちゃんと書け過ぎているだろう!」ということ(笑)こんなにうまく描写できるなんてもともと文章力もセンスもあるでしょ!あと感じたのは、「これ、書く量が決まっているのって難しいのかも」ということ。たくさん書きたい日もあれば、そうじゃない日もあったりして、そうじゃない日に関して分量がきまっていると「書くことないのにこんなに書かなくちゃいけないのか」というプレッシャーになるし、たくさん書きたいときは行数がきまっていると、その行数に収めようと言葉を省略してしまうような気もする。例えば、この分量の文章は今自分が使っている日記には残せない。日記はフリースタイルの方がいいんだろうか。これも、メリット、デメリット、合う、合わない、はありそう。

    あとは、自分の話を第三者的に書いてみるというのは以前やったことがあった。そのときはSNSに投稿をしたりしていたのだけれど、たしかに第三者的な文章を書こうとすると、物語のような感じになって、自分の心の中だけでなくそのときに見えたものなどを描写的に記録することになるような感じがした。「なるほど、そういうことか」なんてこの本を読んでみて思ったところだった。表現力を磨くためには、この「第三者」として俯瞰して文書にするのはまたチャレンジしてみたいなと感じた。その場合、今の日記だと行数が限られているから悩ましいな。またSNSに記録することを考えてみようかな。

    今年の春から中学生になる甥っ子がいるので、この本、プレゼントしてみようかなぁ。

  • 中学生のタコジロー。
    緊張すると顔が真っ赤に染め上がるから、時々ゆでダコジローと言われる。勉強はできないし運動もダメ。おしゃべりだってうまくない。おかげで中学に上がってからはずっといじめられていた。
    ある日、公園の片隅で偶然出会ったヤドカリのおじさん。
    おじさんはぼくに、教えてくれた。
    永遠みたいなひとりの夜を、どう過ごせばいいのかを。



    (時間がなくて走り読み)
    頭の中にある言葉にならないぐちゃぐちゃしたもの(作中では「コトバミマンの泡」と呼んでいました)との向き合い方、話すことと書くことの違い、書くことの有用性と書き方について、物語形式でひとつひとつ丁寧に教えてくれています。
    思春期の頃、自分も毎日ではないけれど書いていたなあ、そしてそれは幾度となく読み返してきたなあと、まさに未来の自分が読者となっていたことを思い出しました。こういった指南書があるわけではなく、感情の羅列だったそれらは、もう読み返すことはないだろうと処分して今は書いていませんが、あの時自分に必要だったことなのだと、読み返していた頃の自分にとってもそうなのだと、この本を読んで確信を得ることができました。

    10代にすすめたい一冊です。

  • 全生徒にすすめたいくらい刺さりました!
    中学生をメインに想定して書かれたようですが、大人も十分読む価値があります。

    スクールカースト上位層の友人との関係などに悩むタコジローが、ヤドカリの叔父さんとの出会いから変わっていく物語ですが、ものの考え方や考えを言葉にすることの大切さを学べます。
    喜多川康の小説に似ているかも。
    (和高)

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著者プロフィール

●古賀史健(こが ふみたけ)
 1973年、福岡県生まれ。ライター、株式会社バトンズ代表。『取材・執筆・推敲』『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』(共著・岸見一郎)、『20歳の自分に受けさせたい文章講義』ほか著書多数。2014年「ビジネス書大賞・審査員特別賞」受賞。構成に幡野広志さんの思いをまとめた『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。』(ポプラ社)など。

「2021年 『雨は五分後にやんで 異人と同人Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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