宗教の起源 [Kindle]

  • 白揚社
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感想・レビュー・書評

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  • メモ:ダンバーはオキシトシンアンチ
    オキシトシンがどうこう言ってるハーバード生化学の連中は、ラットの脳みそをすり潰すのに慣れすぎていて、脳がペースト状だと思ってるのである。

  • 進化心理学という分野のことをよく知らなかったが、「ヒトの本性は何であり、なぜこのように進化したのか」という非常に興味深いテーマだということが本書でわかった。ヒトの進化の過程に関する仮説は、今自分がどう行動すべきか、ということに関する示唆を豊富に与えてくれる。

    ・より大きな集団で暮らすための解決策は、グルーミングを通じた関係強化であり、階層化された社会システムであり、数は少ないが警察のような社会的役割をつくることだった。(P229)
    ・私たち人類の祖先はさらに大きな社会集団をめざした。そのために必要だった新たな結束強化の手段が、歌や踊りや宴会であり、言語ができてからは宗教も加わった。(P229)
    ・神秘志向は、現生人類のみが持つと思われる高次元のメンタライジング能力と、別次元の意識のなかで強烈な没入感をともなうトランス状態を生みだすエンドルフィンの働きによって生まれる。(P279)
    ・人間の営みにおいて宗教に取ってかわる何かが存在すると証明するのは難しいということだ。(P286)

  • 原題"How Religion Evolved And Why It Endures"。ミリもかすらない邦題については、著者による謝辞にて「宗教の起源と進化、および宗教が共同体の結束に果たす役割には長年関心を持っていて、それがようやくこの本で形になった。」とあるので不問に帰す。

    『宗教の起源』というタイトルを目にして期待したのは 0 から 1 である。そんな証拠はどこにも存在しないであろうが、説得力をもつ発見がなにかあったのではないかと期待した。だが著者の主眼は Evolved にあり、次いで Endures、起源については「宗教のイデアがあり、そこから生えてきたんじゃね?」くらいの扱いしかしていない。アニミズムという枠組みで触れているくらいで祖霊崇拝について咀嚼していないので、そもそも語るつもりもないようだ。

    宗教は部族の掟のようなものからスタートしたもので、現代までに発生した諸問題には参加人数のスケーリングに失敗したことも原因としてあるのではないかという考えをずっと持ってきた。TRPGに触発されたこと、個人的な宗教体験によるもので、三十年くらい前、二十歳までにはそんな考えを持つようになっていたが、本書でも人数については似たようなことを述べているので、突拍子もない思い込みというわけでもなさそうだ。
    余談だが、巻末の解説を読めば本書の内容はだいたい分かる。

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著者プロフィール

オックスフォード大学の進化心理学教授。ダンバー数や社会脳仮説の提唱者として知られる。邦訳書は『友達の数は何人?』『ことばの起源』『科学がきらわれる理由』。

「2016年 『人類進化の謎を解き明かす』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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