女帝 小池百合子 (文春文庫) [Kindle]

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  • 文藝春秋
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感想・レビュー・書評

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  • 3年間に渡る取材を積み重ねたというが、著者の粘り強さ、筆力に脱帽しました。
    政治家に関わる書籍なので内容についてのコメントは控えますが、ぐいぐい引き込まれてあっという間に読了してしまった…。
    筆者の、周囲の方の「覚悟」がそうさせたのだと思う。
    本当に面白かったです。

  • 小池百合子の半生を描いてる本。
    正直、驚くことが多かった。さらに実名での告白なので、彼女の性格、生い立ちがより鮮明にわかった。
    特に幼少期から思春期の体験は本当に大事だと感じました。
    さらには上記を踏まえると彼女と安倍晋三総理は非常に似てる部分があることに気がつく
    ①親族の影響がつよい(小池はお父さん、安倍晋三はお爺ちゃん)
    ②愛情が足りない
    ③嘘つき
    ④留学挫折
    ⑤言葉が軽い(政治家になって、ふわっとした言葉をよくつかう。)
    ⑥傲慢

    非常に「心の問題」があるのがよくわかる。さらに怖いのは日本社会がこの問題を本人の意識のなさ、努力が足りないで終わらせていること。
    彼女や安倍晋三のような天性の嘘つきを産む社会構造なんなのかを考える必要なきゃいけない。
    また、弱さと向き合って、少しずつでも変えられるものをかえていく。
    そんなことを考える一冊でありました。

    #読書
    #読書記録
    #読書好きな人と繋がりたい
    #女帝小池百合子

  • 虚栄心。そんな言葉がぴったりの彼女の半生が描かれた1冊。すごい悪意で描かれているんだなぁと最初は思っていたけど、逆にこれだけ描けるほどのキャラクターはむしろ、凄い。ただ、都民としてはこういう方にトップにはいてほしくないし、判断材料あるこういう言論には喝采!

  • 「目的なき向上心」「権力と寝た女」
    小池百合子は、見栄っ張りな父、きれいな従妹、あざ、と恵まれない出自を持つ。それがゆえに、人から見下されないように、そして自分が見下せる側に立つために、虚偽で自分を装飾し続けてきた。
    評価できるのは、その向上心の強さとメディア使いのうまさ。だが、心を許せる親友や家族といった存在がいないことが、うそをつき続けた人生の代償を物語っている。
    上昇志向は大切なことだが、自分・他人に正直であること、人を利用しないこと、は人間としてもつべき最低限のルールである。

  • 小池氏に関しては、経歴詐称の疑いがつきまとっています。アラビア語を母国語とする人でも卒業が難しいとされるカイロ大学を「日本人女性初、留年せず4年で、首席卒業」したということになっているのですが、この点について、本書は小池氏が在学中にエジプトで同居生活を送った女性からの証言を詳しく取り上げ、上記の経歴についてはまず誇張しているのは確実だと言えそうです。しかし、メディアがそれを大々的に報じる様子は当時も今もありません。そのからくりは当時の中東事情に詳しい関係者の次の証言が物語っています(以下抜粋)『強い者について行けば、それなりのおこぼれがある。それこそ忖度の世界ですよ。相手に合わせて発言を変える。真実の意味や価値なんて、意味のない社会なんです』
    マスコミが「小池氏の経歴の齟齬を報道するよりも、そこは触れずにいた方がプラスになる」と考えて触れなかったのだとしたら、ジャニーズ事務所の性加害事件と同じ構図に思えてきます。
    また小池氏の”ずぶとさ”、権力志向は並大抵ではない様子が伝わって来ます。選挙戦での鳥越俊太郎氏とのやり取りが取り上げられており、これが印象的でした。小池氏は鳥越氏の事を街頭演説で「病み上がりの人」と言い、かなりの反感を買いました(その映像もテレビで放映された)。鳥越氏自身からテレビの討論番組でその点を強く指摘されると、しれっと「いいえ、言ってませんねぇ」と返したそうです。このような例が本書には次から次へと紹介されていて、読み進めていると驚きの連続なのですが、レビューでは書ききれないので、是非、本書を読んでみてください。
    本書は小池氏がニュースキャスター時代から政治の世界に足を踏み入れ、細川内閣や、第一次安倍内閣時代を通じて、次々と権力の階段を昇って行く様子を詳細に描いています。小沢一郎氏をはじめ、多くの政治家が小池氏のペースで振り回され、利用される様子を本書で読んでいると、本書のサブタイトル”女帝”が大げさではないと思えてきます。
    ここまで次々と発言内容や振舞の矛盾をつきつけられても政治生命に致命傷とならない様子を見ると、スキャンダルや失言が指摘されても、全く動揺せずにしらばっくれることができる、それどころか、それをも自らのアピールに利用するトランプ氏を彷彿とさせます。
    これだけ政治力のある人を糾弾する本を出すには、著者も相当勇気が必要だったのではないかと思います。そこを忖度せず、伝えるべきことを伝えようとした著者の姿勢に拍手を送りたいです。著者は本書を完成させるのに3年半をかけたとの事。小池氏が平成になってから良くも悪くも政治の表舞台を歩き続けて来ているので、小池氏の経歴を辿る本書は、まさに日本の平成の政治史(細川政権、村山政権、小泉政権、その後の1年毎の総理の交代劇、第2次安倍政権、等々)とも言えるほどの内容でした。本書は第52回大宅賞受賞作品です。

  • 【誰にも知られたくなかった素顔】稀代の女性政治家か、我々が生んだ虚像か。「芦屋令嬢」育ち、謎多きカイロ時代。キャスターから権力の道へ。数奇な半生がここに。

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著者プロフィール

太田・石井法律事務所。昭和61年4月弁護士登録(第一東京弁護士会)。平成30年経営法曹会議事務局長。専門分野は人事・労務管理の法律実務。

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