冬期限定ボンボンショコラ事件 〈小市民〉シリーズ (創元推理文庫) [Kindle]

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  • 東京創元社
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感想・レビュー・書評

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  • ずっと待ってた冬期限定!

    読み終えるのが勿体なくて、でも読むのを止められなくて。

    ラストの小山内さんとの会話が美しすぎて、シリーズを追ってた者として感無量でした。

    願わくば京都での大学生編を。

  • 2024/05/14

  • 小鳩常悟朗、高校三年生。小市民を志す彼はある日空を舞い--落ち、病院に搬送された。轢き逃げだった。病室で目を覚ました小鳩君は、朦朧としながら自分が右の足の骨を折っていることを聞かされ、それにより大学受験が困難になったことを知る。警察から聴取を受け、ふたたび昏々と眠る小鳩君の枕元には、同じく小市民を志す小佐内さんからの「犯人をゆるさない」というメッセージが残されていた……。

  • 米澤穂信氏の「小市民」シリーズ,遂に完結らしい。なんと最初の作品から実に20年。本編としての前作からはもう15年も経っているという。前作が上下巻だったので単純に比較できないが今作は単巻で400ページ近いボリュームが有り読み応えも十分だった。
    話は,雪の日に小鳩くんが小佐内さんと堤防の上の歩道を歩いている時に,小鳩くんが車に轢き逃げされるところから始まる。命に別状はないものの結構な重症で,作中で小鳩くんはずっと入院していることになる。そしてそのひき逃げ事件は二人が3年前に首を突っ込んだ別のひき逃げ事件を思い起こさせて,小鳩くんは当時のことを病室で振り返りつつ入院生活を送るのである。
    しかし,最後に判明する意外な犯人に驚いた。
    確かに,最近入院生活を送ったことがある人なら絶対におかしいと思うことが鍵になっていたのだ。おかしいと思いながら変な病院だと思うだけで核心に迫れなかった自分が情けない。
    このあと高校を卒業する二人には環境を変えてまた別の展開の続編も可能だとは思うがどうなのだろう。

  • 万感。きっと人生で何度もない、寂しさと満足感。
    何を書いても書き足りない。最高でした。

  • 大学受験を前にひき逃げに遭い、浪人が確定してしまった小鳩くん。病室で目を覚ました彼の枕元には、小市民仲間であり、復讐を何よりも愛する小佐内さんからメッセージがあった。

    "犯人をゆるさない"



    先行公開されたあらすじから小佐内無双が来るかと思いきや、中学生時代の事件と現在のひき逃げ事件を絡めたストーリーとなっている。中学時代の事件を読めるとは思っていなかったのでこれは嬉しかった。

    術後の治療やひき逃げ現場の様子、警察の事情聴取の風景など、細部まで取材されたのだなと思わせる丁寧な描写になっている。(ひょっとすると可燃物シリーズの取材成果かもしれないが)
    また情報の収集手段も中学生として無理のない範囲(小佐内さんはまあ小佐内さんなのでそこはおいといて)で、そういうところも好ましい。推理小説で警察が一般人にぽろぽろ情報を漏らす展開がよくあるが、あれはどうかと思う。

    伏線も巧妙で、相変わらずお見事としか言いようがない。
    今回は割と早い段階で犯人はわかったが、犯人当てとはまた別口で『中学生時代の事件の真相』という関心事があったので途中で飽きることはなかった。
    また犯人がわかった状態で読んでみると、さりげないミスディレクションの発見や犯人の描写ひとつにも気を遣っていることがわかり、唸らされた。

    秋季限定から長い間待った方も、自分のように比較的最近読み始めた人間でも、はたまた小鳩くんと小佐内さんの関係がどう変化したか気になる方にも、十二分に満足できる一冊だろう。
    このシリーズを、そして結末を読めて良かった。

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著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

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