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- honto ・電子書籍
- / ISBN・EAN: 9784088927381
感想・レビュー・書評
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桓騎と李牧の戦いの続きである。桓騎が悪逆非道の悪役、李牧側が主人公になっている。桓騎は追い詰められても、まだしぶといが、主人公を苦しめる悪役にしか見えない。李牧軍の面々も主人公を助ける味方達である。
『キングダム』は秦の中華統一を描く漫画であるが、趙が侵略される側であり、趙に感情移入して読んでしまう。現実世界ではロシア連邦がウクライナを侵略している。秦王は中華統一という理想を掲げているが、侵略される側にとっては迷惑であり、独善的な理想である。この独善性はウクライナを自国の支配下に置こうとするロシアの連邦意識と重なる。李牧はゼレンスキー大統領に重なる。
ウクライナという主権国家に侵略するプーチン大統領は何を考えているのかと言いたくなる。プーチンはソビエト連邦意識を未だに持っているため、ウクライナを独立国と認めず、主権を尊重する意識がないのだろう。連邦という意識が弊害である。同じように天下統一という理念も侵略される側からすれば害悪でしかない。主人公に馴染みのキャラがあっさり退場するが、趙の民衆の秦軍への怒りには感情移入できる。ウクライナの人々のロシア連邦軍への怒りも同じだろう。
しかし、ウクライナと趙の相違点として、趙王の腐敗がある。桓騎の台詞「国こそが欠落した不完全なクソだろうが」は、後に李牧に跳ね返ってくる。史実の李牧は趙王から冤罪を負わせられるが、その時に桓騎の台詞をどう思うだろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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