定本真木悠介著作集(4)

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  • 岩波書店
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  • / ISBN・EAN: 9784000284943

感想・レビュー・書評

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  • 普通の「旅」の本としてもこれは読むことはできるだろうが、恐らく(誠に残念なことだが)そのような目的でもって、この本を読む人はいないであろう・・・。多くのこの本の読み手は、社会学者真木悠介の仕事の一つとしてこの本を受容しようとするだろう。僕もそうであったけれど、しかし、それだけではとてももったいない内容であると思う。とてもみずみずしい、きれいな文章が随所に散見され、本当に素晴らしい一つの「旅」の本であると僕は思うからだ。

    学術書とか社会学の本でなく、単に「旅」の本としても本書は十分に読めるだろうし、そのように読むべきであるようにも思える。

    「狂気としての近代」「方法としての旅」は、僕の新しい旅の本のバイブルになった。『気流の鳴る音』と並ぶ大傑作だと思う。

    「ぼくはこれからも、ときどきはひとりの旅をしないではいられないだろう。この度しがたい遠心力——共同性から自己を解き放とうすとする遠心力が、どこから来るのか。ぼくの個的な生活史のゆがみからなのか。近代的自我の狂気か。男と言う存在そのもののいびつさなのか。あるいはそれらを垂直にさしつらぬく構造性か。人類は進化の路を誤った。人間は本来的に精神分裂症なのだ、という思想家もいるけれど。」(p.167)

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著者プロフィール

見田宗介。1937年東京都生まれ。東京大学名誉教授。現代社会論、比較社会学専攻。著書に、見田宗介名で『現代社会の理論―情報化・消費化社会の現在と未来』(1996年)『社会学入門―人間と社会の未来』(2006年)『宮沢賢治―存在の祭りの中へ』(いずれも岩波書店、1986年)などがあり、真木悠介名で『気流の鳴る音―交響するコミューン』(筑摩書房、1977年)『時間の比較社会学』(1981年)『自我の起原―愛とエゴイズムの動物社会学』(ともに岩波書店、1993年)及び本書『現代社会の存立構造』(初版、筑摩書房、1977年)などがある。『定本見田宗介著作集』(全10巻、2011-12年、毎日出版文化賞)『定本真木悠介著作集』(全4巻、2012-13年、ともに岩波書店)には、半世紀に及ぶ業績が、著者自身による新編集を経て体系的に示されている。本書『現代社会の存立構造』は上記著作集に含まれない。

「2014年 『現代社会の存立構造/『現代社会の存立構造』を読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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