ヰタ・セクスアリス [青空文庫]

著者 :
  • 青空文庫
  • 新字新仮名
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感想 : 5
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感想・レビュー・書評

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  • 森鴎外は教科書に出てくるレベルの文豪なので、評価とかおこがましくてできないけど、その教科書を読んだ時から、小説って言うより観察日誌みたいよねと思っていました。周囲を見て導き出される結論みたいな。物語とか、お話というより……。こうでこうでこうであった。それによりこうである。みたいな感じがする。
    一文飛ばして読むとアレッてなっちゃうのよね。
    ヰタ・セクスアリスは哲学者 金井湛が文学作品中の性描写に疑問を持って、自身の子に教えると仮定して自身の性の歴史を紡いだもの。嫌悪も不快も不安もそのときどきで感じているが、親友と記した二人とはどこか愛しく楽しそう。全体がわりとカッチリまじめな文章だから、そういうのが浮き彫りになるなとおもいました。
    あと風俗文化もおもしろかった。

  • 2013 10/22読了。青空文庫版をiPhoneで。
    そういえば森鴎外もちゃんとは読んでないな・・・と思い、とりあえず青空文庫版から読みだした。
    ある哲学者が自分の性欲に関する遍歴を思い出しつつ描いていく、という話。

  • “VITA SEXUALIS”
    「ヰタ・せクスアリス」。
    日本語訳すると「性欲的生活」。

    文豪と言われる森鴎外が描く性欲的生活なんて
    どんな物語なんだろう?!と思っていたけど、
    ある意味期待外れで、ある意味期待以上の作品。

    期待外れというのは、
    「太陽の塔」「夜は短し歩けよ乙女」「恋文の技術」などの
    森見登美彦作品の童貞男子が悶々とするような展開かな?
    と思っていたので、見事にそうではない作品だったから。
    そして発表当時は発禁処分になったらしいが、
    今の時代からすると性欲的生活とは言うけれど、
    中身はだいぶ大人しいなとは思ってしまったから。
    期待以上だったのはその面白さ。
    童貞男子が悶々とするお話ではなく、性への目覚めから
    童貞卒業までを淡々と描いてるところが面白かった。
    子どもがいるような年齢から、当時を振り返ることで
    こんなに冷静になれるのか!と。
    物語のテンポも良く、短いのもあって一気に読んでしまった。

    この作品の主人公、外見容姿がよろしくないとの設定の
    ようだけど、絶対にそんなことないと思われます。

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著者プロフィール

森鷗外(1862~1922)
小説家、評論家、翻訳家、陸軍軍医。本名は森林太郎。明治中期から大正期にかけて活躍し、近代日本文学において、夏目漱石とともに双璧を成す。代表作は『舞姫』『雁』『阿部一族』など。『高瀬舟』は今も教科書で親しまれている後期の傑作で、そのテーマ性は現在に通じている。『最後の一句』『山椒大夫』も歴史に取材しながら、近代小説の相貌を持つ。

「2022年 『大活字本 高瀬舟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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