かなり末期の患者を収容する精神病院の院長エヒミチ。仕事に対する姿勢は極めて消極的で事勿れ主義だったが、患者の中では唯一頭脳明晰なイワンと会ってから、彼との対話だけは意味あるものと考えるようになる。でもイワンは所詮キ印なので、対話は噛み合わなくなっていく。その頃、彼を院長の座から放逐せんと企む男が水面下で動き始め、エヒミチは院内会議にかけられる。イワンと親しく話していたことが精神病に罹った何よりの証拠だとされ、病院をクビになるエヒミチ。友の誘いで旅行に出るものの全く楽しめず、鬱々としたまま帰ると、更に騙されて強制入院させられ、自身が六号室の患者となる。悲嘆に暮れ、絶望したエヒミチは、程なくしてこの世を去るのだった。全く救いのない話。太陽の光さえも射さないような。おそロシヤ。