雪 [青空文庫]

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  • 青空文庫
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  • 冒頭:
    雪と降雪地帯の暮らしが中谷の科学的視点を通して描かれる。
    内容的に鈴木牧之の「北越雪譜」に近い。

    中盤〜終盤:
    1.北大、十勝岳山麓での雪結晶(雪花)の観察、分類
    2.観察分類を応用して霜結晶を生成
    3.当時設立されたばかりの北大低温研で雪結晶生成
    と進む。

    一番興味深かったのは雪結晶は六花に代表される美しい対称性を持つものは種類的に少数派で、ごく簡単な対称性を持つ角柱や針状のものがランダムにくっつきあってできる雪結晶がかなりの種類を占めるという部分。

    また雪結晶の生成を通して、生成時の大気状態について推測している箇所も楽しい。

    多雪地帯で育った自分にとって、冬になると嫌になるほどありふれる降雪について科学的に言及している点が斬新だった。

    まとめると「大人の科学 特集 雪」といった感じ。降雪に興味を持つ人すべてにオススメ。

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著者プロフィール

1900–1962
石川県生まれ。
東京大学理学部を卒業し、理化学研究所で寺田寅彦の助手として勤務。
後に北海道大学教授を務め、雪と氷の研究で新境地を開く。
物理学者でありながら随筆家としても活躍。師と仰いだ寺田寅彦の想い出を綴った「寺田先生の追憶」をはじめ「日本人のこころ」「私の生まれた家」など作品は多数。

「2021年 『どんぐり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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