冒頭:
雪と降雪地帯の暮らしが中谷の科学的視点を通して描かれる。
内容的に鈴木牧之の「北越雪譜」に近い。
中盤〜終盤:
1.北大、十勝岳山麓での雪結晶(雪花)の観察、分類
2.観察分類を応用して霜結晶を生成
3.当時設立されたばかりの北大低温研で雪結晶生成
と進む。
一番興味深かったのは雪結晶は六花に代表される美しい対称性を持つものは種類的に少数派で、ごく簡単な対称性を持つ角柱や針状のものがランダムにくっつきあってできる雪結晶がかなりの種類を占めるという部分。
また雪結晶の生成を通して、生成時の大気状態について推測している箇所も楽しい。
多雪地帯で育った自分にとって、冬になると嫌になるほどありふれる降雪について科学的に言及している点が斬新だった。
まとめると「大人の科学 特集 雪」といった感じ。降雪に興味を持つ人すべてにオススメ。