冒頭から孤独でかなり悲壮感漂う主人公。先祖から続く蛇神の呪いで早死にする宿命です。呪いの影響て普段から悪いものを引き寄せてしまう。そんな主人公を捨て身で守るのは山犬の妖、ミチル。主人公はミチルを好きがゆえに、迷惑をかけたくなくてわざと彼から距離をおこうとします。ラストまで悲愴感は漂っており、鼻をグスグスいわせながら読み進めました。
基本切ないのですが、笑えるときもあり。
それは、ご主人様ダイスキ!の山犬の妖であるミチルの存在。見た目は大人で紳士なのに、やることに犬の本能が透けて見えてる。ご主人様に褒めて欲しい時のドヤ顔とか、好きな物の収集癖とか、犬の習性ばかり出てきてかなり笑える。
ご主人様の拒絶もなんのその、ピンチには駆けつけるし、怒られるとシュンとなったり、シラを切ったりとすごく可愛い。本物の犬も後ろめたいと目を合わそうとせず、そっぽ向いて知らんぷりしたりするよね。
何でもぺらぺら喋っちゃう文鳥のアオジも癒し系でミチルと良いコンビ。
泣いたり笑ったり、楽しい一冊でした。