過去に実演された演劇の漫画化作品。
中学生の閉鎖的なコミュニティで没頭するロボット作り。
普通の少年たちが無邪気に結んだ関係性の歪みと破滅。
卓越した頭脳をもつ中学生の思考、思春期の性徴・情動が相まってエスカレートする狂気が恐ろしい。
狂気の秘密基地で人間性を殊更輝かせる誘拐者ライチと
被害者少女の交流が純粋で美しい、という構図。
誰ひとり幸せにならない、なにもよくならない、
でも悲観も絶望も間違いな気がするようなひたすら退廃的なはなし。
あとがきによれば細かい展開はオリジナルの割合が強いようだけど、
各キャラクターの役割に重みが出て伏線も活かされた内容で
複雑さを増しただけ良くも悪くも感情を刺激された。
演劇の場合はもっとシンプルだったんだろうな。
独特の絵柄だけど画力があり、というかエグい表現がお上手なのですごい迫力。
内臓でまくる系が苦手な方は要注意ですが、一見の価値はあるかも。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
漫画
- 感想投稿日 : 2015年11月24日
- 読了日 : 2015年11月24日
- 本棚登録日 : 2015年11月24日
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