寄り添って老後 (中公文庫 さ 61-2)

著者 :
  • 中央公論新社 (2022年5月24日発売)
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感想 : 5
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何年か前迄著者については名前を聞いた事がある程度だった。
その後、テレビドラマ「関ヶ原」でまつ(前田利家の妻)を演じ、ねね(豊臣秀吉の妻)を演じた杉村春子との素晴らしい掛け合いに感じ入り、またNHKで著書「わたしの献立日記」の鈴木保奈美による朗読を聞いて、次第に惹かれる様になった。

兄に澤村國太郎、弟に加東大介、甥に長門裕之と津川雅彦(という事は南田洋子と朝丘雪路もマキノ一族も伊東深水もだ)という芸能芸術一族に生まれ、当時珍しかった日本女子大学に進学も左翼活動で逮捕されそれが原因で最初の夫と離別。藤原釜足と再婚するが夫婦の仲は覚めたのか妻子ある男性とW不倫(この男性が本書に出て来る家人)。
波乱万丈な一生だが本書の著書は酸いも甘いも噛み分けた穏やかな筆致。

ただ本書の途中で東京の一戸建てから葉山のマンションへ引っ越すというイベントを起こす。ここが個人的には白眉の部分で将来の参考になりそうな所だった。また読み返す事もあるだろう。

ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店にて購入。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年6月22日
読了日 : 2022年6月5日
本棚登録日 : 2022年6月22日

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