本当に時間がかかったが、ようやくこの大書を読破した。明らかにこの本を読む前と比べて映画の見方が変わった、というかふくらんだ。これまでのように説話論的な機能のみを求めて画面に注意を向けていると、見えていないものがあまりに多くなってしまいかねない、そんなリスクをはじめて認識した。
「記念写真をとってしまったゆえに、その家庭は崩壊せざるをえない」・・・記念撮影は、小津の映画の説話論的な構造にあって、別れという主題体系と深く結びついている、との指摘が特に強力。無論、自分はそんな見方をしたことがなかったから、インパクト大。
このような論旨が盛りだくさんで、本当に重く読み応えのある本でした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
映画
- 感想投稿日 : 2021年5月7日
- 読了日 : 2021年5月1日
- 本棚登録日 : 2020年5月28日
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