源氏と坂東武士 (歴史文化ライブラリー 234)

著者 :
  • 吉川弘文館 (2007年6月1日発売)
3.50
  • (2)
  • (5)
  • (6)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 61
感想 : 7
5

これは面白かった。それこそ子供の頃から謎に感じていつつ放っておき、大河等で平安鎌倉に触れるたびに思い出していた「なぜ石橋山で惨敗した頼朝がああも短期間に巻き返せたのか」との疑問がついに解消した思い。

・そもそも源氏と平氏は不倶戴天の敵同士であり続けていたわけではなく、桓武平氏嫡流筋の平直方の時代、請い願うかたちで婿に河内源氏の嫡男頼義を迎えていること
・為義と義朝の不和により、義朝が坂東に実際に下る期間が平氏一門の人間に比べ長く、当地にて紛争を調停する京武者の役割を存分に果たしていたこと
・上総氏と千葉氏はその恩恵に与っていたこと
・特に千葉氏は頼朝挙兵時、周辺の脅威に晒されていたこと
・石橋山以前から頼朝は上総、千葉に挙兵への合流を求めており、すでに承諾を得ていたこと
をこの本で知った。

坂東武者はもとを辿ればだいたい平氏、ただそんなことは現代に生きている自分の想像以上に関係なかったと理解した。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2022年3月18日
読了日 : 2022年3月14日
本棚登録日 : 2022年2月21日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする