文芸評論家として活躍する著者が、読書法と文章の書き方を読者に教授する。まず、どの本を読むにしても共通するが、本を読む目的を初めに定めなければならない。たとえ小説であったとしても、目的以外の内容は軽く読み飛ばすことを推奨する。また、本には、内容が難しくて読みづらいものもある。その場合、基本的に読まない。ただし、必要に迫られて読むときは、先に入門書で概要をつかんでから取り組むべきだという。これ以外にも、選書方法や古本屋との付き合い方などが載っているが、いずれにせよ、何のために、その本を読むのかを念頭に進めることが重要である。
次に、文章の書き方であるが、ここでは、自分が好きな作家の文章をまねることをおすすめする。ただし、単に、気になる文章を書き写すだけでなく、その文章の構造(言葉、レトリック、形式など)を分析して、血肉化させる。実際に書いて自分の型を確かめることが、文章力の向上につながる。
さらに、文章力を高めることのみならず、分野の幅を広めるためのコツも紹介する。個人的に共感したのが、旅行の効用である。国内外問わず、実際に自分の足を運んで、実物を確かめることは、好奇心をかきたててくれる。それにより、これまでには考えられなかったアイデアが浮かぶかもしれない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2023年10月26日
- 読了日 : 2023年9月26日
- 本棚登録日 : 2023年9月26日
みんなの感想をみる