使い古しのトリックを意外な組み合わせで再生させる式のことはよく聞くが、60年も前にこういうとんでもない組み合わせがとっくになされてたのね。トリックはともかく動機に意外感はなく、むしろそれを取り巻く人間関係に作者の手心を感じる。世の中が良い方に向かわなかった証拠のようで、やな話だが。裏表紙の惹句に言う、紋次郎を思わせる、クールでニヒルだが、ニヒルになりきれない主人公と如何にも薄幸なヒロインの組み合わせがロマンと言われるのだろうけど、確かにうまい。
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- 感想投稿日 : 2021年12月19日
- 読了日 : 2021年12月18日
- 本棚登録日 : 2021年12月18日
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