ドイツの恐怖幻想小説のアンソロジー。半世紀前に編まれたものなので、二十世紀初めから終わりにかけての業績が対象になっている。
巻末の解説に、ホフマンを擁するドイツは、恐怖幻想小説の本場的に思われがちだが、実作での成果に乏しく、今日の英米の洗練された恐怖小説に慣れた目には、物足りないであろう的なことが書かれているが、本書の収録作を見る限り、解説者に同意しないわけにはいかない。そもそも風刺を目的にしたような話が目について、狭義の恐怖小説に当たるものがほとんどない。例外はエーヴェルスくらいか。マイリングも風刺の色の方が濃いのが意外なほど。あえてジャンルわけすると、奇妙な味に分類されそうな話が多いのも興味深い。
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- 感想投稿日 : 2022年7月31日
- 読了日 : 2022年7月31日
- 本棚登録日 : 2022年7月31日
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