深夜の博覧会 (昭和12年の探偵小説) (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社 (2021年1月28日発売)
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本棚登録 : 457
感想 : 37
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パズラーとして丁寧な造りだけれど、ミステリ色はあまり強くない。事件そのものも半ば近くまで起きないし、メイントリックもこの長さの長編を支えるには、少し弱い気がする。だから昭和初期を舞台にした風俗小説を読むきでないと当てが外れるかも知れない。個人的には大佛次郎を連想した。時代を先どっていた伯爵の、乾いた絶望の淡々とした描写が胸に刺さる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年2月3日
読了日 : 2021年3月5日
本棚登録日 : 2021年1月30日

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