特異な疾病といくつかの社会的・技術的変化により、変容した社会を舞台とする、ある意味、まっとうな近未来SF。けれども作者の関心は変容した社会ではなく、そうなっても変わらない人の内面を描くことにあって、ここはまったくSF的ではない。迂生はSF好きだから、無い物ねだりは分かっているが、その辺が少し物足りないとも思う。ソムノスフォビアによってモラルが先祖返りをしてしまった故に、「清楚な」女学生たちがくらす全寮制学校というと、昔日の少女小説を思わせて、ニヤついてしまうが、共学なんだよなあ。近藤氏は基本異性愛にしか興味のない人なんだなと、改めて思う。
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- 感想投稿日 : 2021年10月13日
- 読了日 : 2021年10月12日
- 本棚登録日 : 2021年10月12日
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