現代の経済学入門書を見直すシリーズを開始して三冊目。
「起業の為の教科書」とありますが、「こうやれば起業できますよ」というノウハウ本ではなく、ミクロ経済学の入門書です。
そして、読んだ中では一番理解しやすく、まっとうな「ミクロ経済学の入門書」になっています。
ミクロ経済学は自分の日常と密接に関連してくる為にイメージのしやすい経済学の分野ですが、限界分析の説明が大抵どれも分かりにくく、そこで面倒になる人が多いのです。
今まで読んだ中では一番限界分析の説明が丁寧で分かりやすい。
「アメリカの高校生が学ぶ経済学」のシリーズは数冊出ていますが、税法、商慣習がアメリカそのもので、日本人に理解しにくい部分もありました。
本書は事例を日本向けにローカライズしており、「女子高生がお好み焼き屋さんとして起業する」事例になっています(笑)
とはいえ、経営の様々な要素、生産管理、人材管理、ファイナンス、金融、分析、キャッシュフロー、財務諸表をバランス良く解説しており、少なくとも商業、起業全般で、どういう知識が必要とされるのか、の見事なインデックスになっています。
中途半端に深入りせず、うまくまとめているのが本書の特徴でしょうね。
(財務諸表はものすごくライトな内容ですがw)
起業する人や、個人事業主の人だけでなく、会社勤めだけど経済・経営の知識がない、という方には最適かもしれません。(池上さんの本でも、ミクロ経済入門の本は多いのですが、僕はこちらをオススメします。
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カテゴリ:
本・雑誌
- 感想投稿日 : 2019年1月17日
- 本棚登録日 : 2019年1月17日
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