作家の履歴書 21人の人気作家が語るプロになるための方法 (単行本)

  • KADOKAWA/角川書店 (2014年2月28日発売)
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感想 : 49
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似たような本はあるし、21人全ての作家に興味があるわけじゃないけれど…と思いながら読み始めたのだが、予想してたより面白く読めました!それも、読んだことのない作家のページが特によかった。
「志望動機」「転機」「自分を作家にした経験」がコンパクトにまとまっている。最後の1Pは履歴書的に10の設問があり、“交友関係”は、この作家とこの作家はこんなふうにつながっているのかとわかったり(結構北方謙三氏の名前が挙がっていたような)、“本人希望欄(編集者への要望)”には、編集者に対しては勿論、出版界への熱い想いに溢れている人が多く、ひとつひとつのコメントが響きました。結構辛辣な意見も多かったけど、それだけ作家は真剣勝負ってことだ。
小池真理子・藤田宜永夫妻は、作家で夫婦って色々気苦労が絶えないだろうなということが窺えたけど、互いに支え合いながら、ほどよい距離を保ちながらの歩みが、素敵だなと思えた。「一つ屋根の下に作家が二人いる。これは地獄ですよ(笑)」の一文に小池さんの本音が(笑)
21人の中で印象的だったのは、皆川博子さん。昭和5年生まれだったとは知らなかった!息の長い作家はコンスタントに作品を発表し、コンスタントに文学賞を受賞し、常に成長し続けているのだなと。頭が下がります。本書きっかけで「いずれ作品を読んでみたい」と思った作家のひとりです。
そして森村誠一さん。志望動機で語られていた、熊谷空襲の被災経験が凄絶で…心に深く刻まれました。
サブタイトルの「プロになるための方法」はちょっと違うかなと思ったけど、様々な思いを抱えて作家を志し、挫折を繰り返し、今があるんだということがよくわかり、読んでよかった。未読の作家に対しても興味が湧いたし。自分も真摯な読者でありたいなと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本の作家
感想投稿日 : 2015年2月12日
読了日 : 2015年2月12日
本棚登録日 : 2015年2月3日

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