幸せ嫌い

著者 :
  • 集英社 (2015年2月26日発売)
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本棚登録 : 282
感想 : 53
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「幸せは、光り輝く落とし穴だ。足元が見えない。見えないことがわからない。ただ、酔っぱらう。地面が消えて落っこちていくのを、羽根が生えて空を飛んでいるのと間違える。気が付いたときは、もう遅い。」そこそこモテていた状況にあぐらをかき、結婚のチャンスも仕事も失って、気付けば三十路の麻美。法事で、結婚紹介所をしている親戚の女性・克子に声をかけられ、出会いがあるかもしれない…と半信半疑で、紹介所でバイトとして働いてみることにするのだが…。
平さんらしい直球のエンタメで、読みやすいけれど設定が若干古いかなという気も。大体、紹介所の時給が安すぎる!出会い出会いとガツガツ気味な麻美も何だかな~だし、やたらとキャラの濃すぎるスタッフも胡散臭いし。てな感じでどうにもノれない状態で読み進めていくのだが…既婚者の自分でさえ、アイタタタと呻いてしまうセリフがビシバシ出てくる。2人の結婚難民…オタク気質の男性・入江、高飛車なキャリアウーマン・由紀。水と油としか思えないこの男女を結婚に結び付けようとプロジェクトは進むのだが、少しずつ麻美の意識にも変化が。
紹介所のやり方に反発しつつも、上手い具合に克子に言いくるめられ?自分を変えていく入江と由紀。キモいおじさんだった入江がダイエットをし、ヅラもやめてと頑張る過程が健気~。一方の由紀も、ブランドの鎧をやめて、お天気お姉さん風愛され女子なファッションに改めていくのだが…私自身、男性ウケを目指して歩み寄るってことができない人種だったので、色々考えさせられてしまった。若い頃の自分も、モテ風に寄せる努力もせず「ありのままの自分を受け入れてくれる人と!」なんて思ってたもんなぁ…(汗)。
色々ツッコミどころはあるし、共感できないところも多いので☆3寄りではあるけれど、はからずも己の結婚観を振り返るきっかけとなったかも。結婚して10年以上たつのに、過去を思い出して変な汗かきました(笑)
表紙が大好きなねむようこさんということで手に取ってみたが、この人選がぴったり!甘々だけどどこか憎めない麻美が、ねむ作品のヒロインとどこかかぶるのよね~。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ジャケ好みな本
感想投稿日 : 2015年11月4日
読了日 : 2015年11月4日
本棚登録日 : 2015年10月28日

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