ラスト・ワルツ (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店 (2016年3月25日発売)
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題名がラストワルツで、なんらかのロマンスを想像し、その終わりがあるのかと思いつつ読み進めた。

「ワルキューレ」で日本海軍のスパイが準備した拳銃がワルサーP38、銃器には疎いが、これはルパン三世が使っているので知っている。

「舞踏会の夜」では結城と顕子のロマンスを期待した。女性を優しく泳がせ、危険が迫ると先回りしているあたりが、結城がルパン三世と被る。

「アジア・エクスプレス」はこれまでの柳広司氏のスパイもので終始死ぬな、殺すなのポリシーが顕著に表現されている。盗むけど殺さないルパン三世と同じである。

「パンドラ」では密室殺人に目が行きがちだが、相手の得意な領域で凌駕する結城の軌道修正する指導力がスマートである。スマートさはまるで・・・言わないでおく。

ドイツの状況から既に日本の敗戦濃厚は、歴史的にも、日本は掴んでいた。それでも戦争に突入した事で多くの国民が傷つき、亡くなっていった。今の日本は歴史的に変わっているのだろうか?
顕子の言葉に余韻が残る。「それでも人は変わらない。世の中が変わるだけだ。」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 柳広司
感想投稿日 : 2022年5月2日
読了日 : 2022年5月2日
本棚登録日 : 2022年4月30日

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